公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

藪の下草

618日(日)
 
 三ツ池公園のナツツバキ、ヒメシャラが気になっていた。今日は静かだろうと思ったが、南門を入ると、園児が一組いた。奥にまだ園児が沢山いるようだ。
 右へ曲がり、坂を上り始めた。何時もは、花が咲いているものや目立つものを見ていたが、今日は下草の様子をみた。この藪の後ろにはイチョウやヒマラヤスギの大きな樹が聳えている。
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藪の下草の光景
  
  下草を見ると、色々なものが犇きあっている。もちろん地面は見えない。道側にキヅタが這っている。葉の形は、女の子の頭のように見える。丁度、頭の中央で髪の毛を両端に分けているようだ。その窪みのつむじから5本の葉脈が直線的に伸びているのが目を惹く。「キヅタ」を「キズタ」と書いている資料がある。どちらが正しいのだろうか。
キズタ説・・・牧野新日本植物図鑑、採集別野外植物検索図鑑(著.石戸 
       忠)、葉による野生植物の検索(著.阿部正敏)
キヅタ説・・・寺崎日本植物図譜、新日本樹木総検索誌(著.杉本順一)、
       保育社原色日本植物図鑑
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 キズタ

 直ぐ傍を奥からアケビのつるが伸びてきている。奥の方は5枚の小葉が蔓に付いているが、先端になると、枚数が減り、3枚となっている。先端だけを見ると、これがアケビとは知り難い。
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アケビ:小葉が5枚

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 アケビの先:小葉が3枚

 さらに奥へ入ると、ササの葉に似たチヂミザサが現れている。よく見ないとササと区別がつかない。チヂミザサはかなり広い部分を占めている。
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 チヂミザサ

 さらに奥へ入ると、背丈の高いミズヒキが見える。これは他のものが犇いている中にポツリポツリと飛び石の様に分布している。
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ミズヒキ
 
 ササは全体にわたり分布している。このササはアズマネザサと言われ、地下茎を伸ばして広がっていく。一旦根づくと、退治するのが不可能なほど繁殖力が旺盛である。
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 アズマネザサ

 下草の中で一番背丈の高いのはモミジイチゴである。掌状の大きな葉をつけている。この茎には棘があるので、触る時は注意が必要である。この花はカジイチゴの花によく似ている。
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 少しはなれた藪を見ると、植生が変わってきている。ここは少し背丈が高いもの、つる性のものが犇くようになっている。背丈の高いものは、先程のモミジイチゴに加わり、ヤブマオが出現している。つる性の大きなものはクズ、小さいものはオニドコロが見える。クズはこれから猛威を振るうことになる。
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 少しはなれた藪の光景

 オニドコロが背丈の高いモミジイチゴに絡みついている。何重にも絡み、葉をつけていく。この先、もうこれ以上背丈を伸ばすことはできないモミジイチゴはどうなるのだろうか。見つめて行きたい。
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 モミジイチゴに絡みつくオニドコロ

 此処ではクズの葉が大きくなり、下草を覆い始めている。アズマネザサなどは既に覆われてしまっている。先程の藪で見た下草も以前此処にあったことと考えられる。しかし、今は見ることが出来ない。
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下草を覆い始めたクズ

撮影:514

  記  平成29615日(木)