ミクリの雄花と雌花
6月18日(日)
山側に見える大きな葉をしたものは何だろうか。大きな株のように見えるが、アップ写真を見ると、5~6本の茎が見え、それぞれの茎から大きな葉が出ている。葉は複葉のように深く切り込まれ、鋸歯がある。この葉の形から類推すると、アザミを思い出す。これは、その中のタイアザミではと思うが、断定は難しい。
タイアザミ?
入口に湿原がある。ここで、ガマや、アブラガヤを見たことがあるが、写真の中ではどこにあるか分からない。ここではヨシが多いようだ。湿原を見ていると、葉の脇から茶褐色の蕾のようなものが見えた。形からすると、これがアブラガヤになるのかもしれない。
アブラガヤ
この蔓性の植物はエビヅルだろうか。これからはこの葉に似た植物を目にするようになる。エビヅル、ノブドウ、ヤマブドウと紛らわしいものが出てきて、識別に苦労する。エビヅルについて調べると、「エビズル」と「エビヅル」がある。どちらが正しいのだろうか、と迷った。「エビスル」と書かれているのは、牧野新日本植物図鑑と学生版牧野日本植物図鑑であり、他は「エビヅル」なっている。牧野さんの普通植物検索図説では「エビヅル」になっている。また、牧野新日本植物図鑑のエビズルの欄を読んで行くと、エビヅルという言葉が出て来る。こう見てくると、エビヅルが正しいようだ。
エビヅル
黄緑色の果実のようなものが見える。マメ科の果実のように見える。調べると、ミツバウツギであった。ウツギの名前がつくが、茎の断面は空木でなく、髄が詰まっている。5~6月に花が咲くという。もう少し早くここへ来ていれば花が見られたかも知れない。
ミツバウツギ
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ミツバアケビの果実があった。野山を歩くと、ミツバアケビの葉はよく見かける。ところが、花や果実を見るのは偶然である。時期を見計らって、野山を歩けば、見る機会があるだろうが、そう計画的に歩くことはない。果実は細長い楕円形で、比較的に大きい。食用になるという。
ミツバアケビの果実
丸い球に棘が映えているような果実があった。名札があり、ミクリと書かれていた。この果実は今まで見た記憶がないので、確かか、不安があったので、調べてみた。牧野新日本植物図鑑によると、「池や沼あるいは溝の中等に生える」という。確かに、ここは溝の中になる。葉が細く長いのが目立つ。資料はナガエミクリだが、この写真を参考にすると、果実と思ったのは間違いで、雌花の花序であった。もう1度写真を見直すと、上の方に雄花の花序があり、下に雌花の花序がある。アップの写真を撮っておくべきであった。
ミクリの雄花と雌花
撮影:6月11日
記 平成29年6月16日(木)