藪に群生していた植物はオカトラノオだった
6月17日(土)
裏庭を水路沿いに歩いていると、キンミズヒキの葉が大分大きくなってきていた。葉は奇数羽状複葉で、先端の葉が大きく、次が小さいという独特の形をしている。黄色い花弁5枚の花を咲かせる。キンミズヒキの果実は、毛糸の編み笠をかぶっているように見え、面白い形をしている。初めてこの果実の姿を見た時、「これは何だろう」と不思議に思ったことを今でも覚えている。
同じところにホトトギスがあり、これも上へ伸びてきた。今、茎が真っ直ぐ上へ伸びているが、花がつく時には地面を這うようになってくる。花の重みでそうなるのか、不思議に思っている点である。
古民家の庭へ戻ってきて、振り返って見ると、古民家の屋根の上に薄いピンク色の花が見えた。ヤマボウシの花のように思えるが、定かでないので、近づいてみた。色から見ると、ハナミズキとも考えたが、今頃ハナミズキは咲いていないはずなので、不思議に思った。その樹は古民家の裏側にあるので、入れるかどうか古民家の周りを見ると、細い路地があり、入ることが出来た。花弁(萼)の形を見ると、色は薄いピンクだがヤマボウシである。ヤマボウシの花のイメージは白色である。薄いピンクのヤマボウシもあるのだろうかと調べてみると、資料にはベニバナヤマボウシが紹介されていた。
屋根の上に見えるヤマボウシ
古民家を出て、水田の畦道を歩き始めていると、黄色い小さな花が咲いていた。この花は自宅近くにもよく咲いているコモチマンネングサである。この環境に咲くとは思えないのだが、念のため調べてみた。資料によると、道ばたにふつうに生えるという。何かの拍子で、ここへ侵入してきたのかもしれない。
薄い黄緑色の小さい花がかたまって咲いている。昨年1度見ているが、名前が浮かんでこない。調べてみると、6月19日に見たヒトツバハギだった。色々な資料によると、葉は全縁と説明されているが、ごく浅い鋸歯がありそうに見える。縁は確かに波を打っている。花には花弁がなく、薄く、黄白色の萼弁が5枚、雄しべが5本であるようだ。雌雄が別株だという。これは雄株になる。牧野新日本植物図鑑によると、「全体はハギに似ている・・・」ことからこの名前が付けられたと説明されている。しかし、ハギに似ているとは思えない。葉がハギの葉の小葉に似ているという説もあるが、この説もすっきりしない。
ヒトツバハギ
ヒトツバハギの花
先日、園道を歩いていた時、毛深い草が崖際に一面に咲いており、灰緑色の葉は互生していた。その場で名前が分からず、そのままにしておいたことを思い出した。その花の場所へ行くと、花が咲き出していた。花を見て、先程古民家の庭で見たオカトラノオであることが分かった。何遍も見ていた花だったが、花が咲くまで、名前を知ることが出来なかった。「これがオカトラノオなのか」と、しみじみ思った。
先日、名前が分からなかった花
難問だと思っていた花の名前がオカトラノオが無事分かり、ホッとした。遅くなったので、帰りを急いだ。もみじ休憩所でナツツバキを見て、ばらのまる橋でアカシデを見て帰ってきた。ナツツバキには花がなかった。もう散って仕舞ったのかもしれない。しかし、昨年は6月19日に花を見ている。アカシデには緑色の果実が苞葉の中に出来ていた。
ナツツバキの蕾か?
アカシデの果実
撮影:6月7日
記 平成29年6月12日(土)