リョウブの蕾の不思議
5月27日(土)
卯の花の時期になって来た。遠ざかっていた舞岡公園の卯の花(ウツギ)が咲き始めているのではないかと気になってきた。昨年は見損なってしまったので、今年は何とかみたいと思っていた。天気は曇りの状況だが、見に出かけた。地下鉄駅を出ると、バスが通り過ぎて行った。バス停に止まるかと思ったら、乗降客がいないせいか、そのまま素通りしていってしまった。仕方なく次のバスを待った。
何時ものように京急ニュータウン側から公園へ入った。ばらのまる橋へ向かう坂道にコゴメウツギがある。もう花は咲き終わっていると思ったら、撮影するには十分な花が咲いていた。花弁は10枚に見えるが、上にある小さいもの5枚が本来の花弁で、下の大きいのが萼になる。雄しべが花弁のヘリに付いているのが珍しい。
コゴメウツギ
コゴメウツギ
ばらのまる橋からアカシデを見た。果実のできている花序を探したが、今年は数が少ないようだ。上の方には沢山あるだろうが、観察できる手ごろな高さには殆ど見つからない。先日は、果実が出来始めているところだったが、今日は苞葉の奥にはっきり見ることが出来た。
アカシデの果実
橋を渡ると白色の花が見えて来た。花の感じからすると、期待しているウツギではないようだ。楕円形の葉が対生している。イボタノキになる。イボタノキという名前に興味が惹かれたので調べてみた。この名前の起源に2つの説がある。1つは牧野新日本植物図鑑に記載されている「樹皮の白いイボタロウ虫が寄生することによりイボタノキ」という説、もう1つは植物名前の由来(著中村浩)による「疣を取る効果がある」という説である。後の方は真実性に近く、面白い。「疣の根をかたく結び置き、この蝋の熱したるを一滴滴下すれば疣目ぬけ去る」という栗本瑞見の「千中譜(文化8年)」一文が紹介されている。
イボタノキ
イボタノキの花
坂を下って行くと、おおばなの丘の方からくる道とぶつかる。この付近にハコネウツギが見える。冬場、この花の残りを見て、吃驚したことがある。春先の蕾も長い柱のようなものに囲まれていた。いま思えば、それは萼になるのだろうか。このハコネウツギは白い花が次第に赤へと変化するという。樹の中を見ると、いくつかの色の花が混ざっているのが分かる。幹は灰白色で、縦方向に凸凹の溝が見られる。
ハコネウツギの幹
ナツツバキを見ると、まだ直径が約1㎝の蕾のままだった。蕾を見ると、2枚の苞葉で包まれているように見える。また、2枚の苞葉の表面は柔らかそうな伏毛で覆われている。
ナツツバキの蕾
向かい側のリョウブを見て、「花が終わってしまったのでは・・・」と思い、一時吃驚した。どうも蕾のようである。この写真を見ると、蕾の横から長い突起が出ている。「これは何だろうか」と不思議思って、色々な資料にあたってみたが、解答に至らなかった。色々な資料の写真を見ると、このような突起が付いていない。過去の資料を見てみると、この突起の付いているものとついていないものとがある。
リョウブ:突起がある
リョウブ:突起がない
撮影:5月24日
記 平成29年5月25日(木)