この小さい白い花はノミノフスマであった
4月26日(水)
水路沿いに足を進めていると、記憶のある葉が見えて来た。細長い楕円形で、縁に丸みを帯びた鋸歯がある。これはワレモコウになる。見ると、「こんなにあったかなぁ」と思える程群がっている。よく見ると、水路に沿ってのこの一角だけでなく、水路の向こう側にも広がっている。
ワレモコウ
上へ目を向けると、ウツギの枝が伸びてきている。昨日までの冬芽が嘘のように、新葉が長く伸びている。枝先を見ると、新葉に包まれるように緑色の粒が見え始めている。これは蕾と思える。ウツギは初夏に花を咲かせる。花の準備が着々と進んでいるようだ。
ウツギ:蕾が見え始めている
水田の縁に小さな花が沢山見える。花弁から見て、ナズナではない。ハコベと思われる。花弁は10枚に見える。確かにハコベかと思い、茎を見た。ハコベの茎には片側に毛があるが、この花の茎には毛がない。すると、ハコベではなくなる。ハコベに似たものにノミノフスマがあったことを思い出した。ノミノフスマの茎は無毛、花弁は萼より長い。確かにノミノフスマになるのかと、資料に当たってみたところ、牧野新日本植物図鑑では、「花弁は5個、萼片と同長あるいはやや短く・・・」と記されていた。変だと思い、保育社の原色日本植物図鑑、寺崎日本植物図譜、杉本順一さんの日本草本植物総検索誌を当ると、これらはいずれも「花弁は萼片より少し長く・・・」となっている。牧野さんの間違いか、印刷ミスか、どうも花弁は萼よりやや長いようだ。
ノミノフスマ
ノミノフスマ:花弁は萼片より少し長い
湿地に新緑の茎が沢山伸びている。葉が3枚輪生している。この姿からクサレダマを思い出した。昨年は6月19日に開花を見ている。すると、あと1か月少し経つと、花が咲くことになる。未だそんな気配はないが、成長する勢いを感じる。
クサレダマ
古民家の入り口付近に来た。先日、角にある樹は何の樹だろうかと、一瞬迷った。今日は蕾が多く、長くなっているので、更に迷ってしまった。上の園道を歩くと4本ぐらい同じ樹が並んでいる。どれを見ても、昨年の記憶が戻ってこない。「ひょっとしたら、ヤマグワでないか」との思いがした。北門のところにヤマグワの大きな樹があるので、確かめるために園道を進んで行った。水田側のヤマグワの樹を見ると、予想した通り、同じような蕾が枝から下がっていた。「分かったようで、分かっていない」ことが反省させられた。
ヤマグワ:雄花
ヤマグワ:雌花
もう一度古民家の入り口へ戻って、古民家へ向かった。入口には今が盛りと、ヤマブキが咲き誇っていた。先程、畦道を通った時にもヤマブキを見ているが、ここは緑の山が背景にあるので、一層ヤマブキが映えて見える。
ヤマブキ
入口の門では、ベニシダレが迎えてくれた。先日より花数が多くなったが、葉の数も増えている。色も先日よりは褪せたようで、薄くなっている。このベニシダレの花も、今日が見納めになるだろう。
ベニシダレ
ベニシダレの花
撮影:4月20日
記 平成29年4月22日(土)