アカシデの雄花花序と雌花花序
4月19日(水)
もみじ休憩所の脇にあるナツツバキを見た。もう冬芽の姿は消えている。冬芽の名残を探してみた。葉の付け根を見ると、茶褐色をした小さなものが見える。これはいずれ落ちていく運命にあるものと思えるが、これが、冬芽を守っていた最後の芽鱗の名残であることが分かる。最初の新葉を見ると、葉の裏が見えている。白色の沢山の毛で覆われていることが分かる。基の縁部分ではこの毛が一際長い。この毛で覆われていた部分が冬芽から最初に頭を出したところと分かる。ここから新葉の生命が始まったと思われる。
ナツツバキ
ナツツバキの新葉
前田の丘へ上った時、キブシを見ているが、写真を撮らなかった。撮らなかったと思うと、気になるものである。そろそろキブシの花も見られなくなるので、撮影した。樹の枝からキブシの花序が下がる姿は、早春を告げる光景である。この光景が見られるのは短いと思っていたが、見続けていると、意外と長いものと分かってきた。最初キブシを見た時、この花序を見て、キブシを見たことにしていたが、そのうち、この小花を見ることになった。寺崎日本植物図譜、牧野新日本植物図鑑、保育社の原色日本植物図鑑を見ると、いずれもキブシは雌雄が異株となっている。また、牧野新日本植物図鑑だけが花弁が6個と書かれている。他は4枚となっている。どれが真実なのだろうか。写真は果実が出来は樹であるから雌株であることは間違いない。ところが小花を見ると、雄しべも、雌しべもきちんと見えている。何もかも不思議に見える。
キブシ
キブシの小花
ばらのまるの橋からアカシデを見た。冬芽の姿は無くなって、枝からキブシの様な花序が下がっている。長く垂れ下っているのは雄花の花序である。雄花の花序を見ると、小花がはっきりと見えるようになっている。赤褐色をした苞葉の下には、同じ赤褐色をした葯が見える。雄しべの数は明確ではないが7~8個ぐらい見える。イヌシデの時は、まだ雌花の花序が不明であったが、薄緑色で、先が糸状に裂けているものは苞と思われ、その下に出ているピンク色の2本が雌しべと思われる。この点を確かめようとしているが、なかなかいい資料が見つからない。
アカシデの雄花花序
アカシデの雌花花序
ケヤキ広場へ到着すると、空は曇り始めて、薄く霞んできた。奥の方に沢山のサクラが満開のようになっている。近づいてみようと思ったら、近くに寄れないようにロープが張り巡らしてあった。遠景の写真を撮って諦めることにした。ここからおおばなの丘へ行くと、オオシマザクラなどのサクラを見ることが出来るが、天気が崩れ始めたので、諦めることにした。
撮影:4月10日
記 平成29年4月15日(土)