この冬芽はアワブキだろうか
12月13日(火)
前田の丘の広場に入り、アカメガシワとマユミの樹を見た。この広場の奥には、樹木は少ないと思っていたが、入ってみるといろいろありそうに見えてきた。見渡すと似ている樹が並んでいる。いずれの木肌も灰白色の斑点がある。みんな同じ樹なのだろうか。1本1本見ていくことにした。
この樹の枝先には葉が数枚付いている。名前の決め手になりそうだ。葉は楕円形をしていて、長さが6㎝、幅が3㎝、柄が1㎝であった。縁には波状の浅い鋸歯がある。表裏に多層の毛がある。エゴノキのイメージがしてきた。エゴノキの幹は黒灰色で縦方向に細い筋模様があると捉えている。色に多少の違いがあるが、拡大写真を見ると、縦方向に細い筋模様を見ることが出来る。冬芽を見ると、星状毛に包まれた楕円形をしている。これらの特徴からこの樹はエゴノキと思われる。
エゴノキの葉
エゴノキの冬芽
エゴノキの幹
直ぐ隣に、エゴノキにそっくりな幹をした樹がある。「この樹もエゴノキなのか・・・」と思いながら見ていると、枝先についている冬芽に違いがあった。冬芽の中にヤマボウシの冬芽にそっくりなのがある。小さな冬芽は葉芽で、大きいのは花芽である。この樹はヤマボウシに間違いないと思った。エゴノキとヤマボウシの幹の違いを見つけてみた。ヤマボウシの樹皮は紙のように剥がれかかっている。また、ヤマボウシの木肌を見ると、細い筋模様がなく、ぶつぶつした塊が無数ある。
ヤマボウシの冬芽
ヤマボウシの幹
この樹の冬芽を見た時、これはヤマグワではないかと思った。しかし、よく見ると、冬芽の形は円く、球形に近い。更に頂芽を見ると、先が開き、赤いものが見える。この冬芽はヤマグワの冬芽ではない。すると、この冬芽は何の樹になるのだろうか。手掛かりが少なく、彼方此方の資料を調べて見た。可能性として、コバノガマズミが考えられるが、断定はできない。
さらに奥の方にも同じような樹が並んでいる、一番奥の樹には、毛に包まれた冬芽がついているので、コブシの樹と分かった。しかし、幹の色。灰白色の斑点はエゴノキ、ヤマボウシに似ている。少し離れると、幹だけではコブシとは分からない。
コブシ
コブシの冬芽
コブシの近くに、見慣れない冬芽が見つかった。外見はアカメガシワの冬芽に似ている。この冬芽も裸芽のようだ。頂芽を見ると、「チョキを出した手首の形」に見える。アカメガシワとは違うようだ。この冬芽の名前を探すのも手当たり次第だった。そのうち、「アワブキ」を見出した。アワブキの冬芽についていろいろな資料を当ると、この写真とよく似ている。
アワブキの冬芽
つづく
撮影:12月8日