公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

トリカブト、アカバナを見る

1024日(月)
 
 山を上り始めると、周りにノコンギクが沢山現れて来た。今年は、幾つかの公園を歩いているが、例年になく、ノコンギクを目にしなくなった。原因は人為的なことだと分かっているが、季節感が薄らいできている。そんな時、ここを訪れてよかったと思っている。少し上る度にノコンギクが目に映ってくる。「これが秋の深まりだなぁ」と実感が湧いてくる。
 汗をかきながら上って行くと、青紫の花が見えてきた。山道から少し中へ入ったところにある。名前はトリカブトといい。毒性の強い植物である。この花は奇妙な形をしている。一寸見ただけではどこに花弁があるのかさっぱり分からない。調べていくと、「長野周辺の山歩きと山野草(資料1)」の中に詳しい説明があった。この説明と、牧野新日本植物図鑑の説明を合わせて読みながら写真を見ていくと、さっぱり分からなかった花のつくりが何となく分かってきた。
 花に見える青紫色をしたものは萼であり、全部で5個ある。一番目につくのは帽子の形をしたもので、これが、冑に似ていることでトリカブトの名前の語源になっている。この帽子の中に花弁などが入っているので、外からは見えない。その帽子の下に左右に広がった2枚の萼がある。そして、残りの2枚の萼が下に伸びている。この2枚は小さい。この5枚の萼に包まれた中に花の本体が納まっている。中を見るには萼を取り除かなければならない。資料1では、この内部まで写真で示し、説明している。花弁についても説明を読んで行くと、花のつくりがのみ込めてくる。
  (長野周辺の山歩きと山野草
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 シロダモの葉が見える。ヤブニッケイとシロダモについて、先日、検討して間もない。分かったと思っていたが、実はよく分かっていなかった。この樹木はどちらになるのだろうか。先日シロダモとした葉の葉脈の配置は3脈が3段ぐらい続いていた。この葉はシロダモになりそうだ。果実は茶褐色の球形をしている。この果実は、外側の皮が剥げたのはないだろうか。
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 シロダモの冬芽

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 シロダモの果実

 山道を進んで行くと、ヤブタバコが見え始めた。これはポツリポツリだが、続いて現れてくる。折角来たのだから写真に収めようと撮影を試みたが、何かうまくいかない。使い慣れたカメラを三ツ池公園へ置き忘れ、紛失してしまったので、今は臨時のカメラでの撮影中である。操作が慣れないので、暗いところではうまく撮影ができない。おまけに、ヤブタバコは花弁を平開しないので、余計分かり難い。
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 ヤブタバコ

 再び湿地帯へ出た。薄紫色の花が目に入った。初めて見る花である。どことなく、ヒルザキツキミソウユウゲショウに似ている。花の大きさから考えると、ユウゲショウに近い。しかし、花弁の中央に割れ目が入っているところがユウゲショウとは違っている。資料2を調べると、アカバナが出てきた。ヒルザキツキミソウユウゲショウアカバナ科である。出てきた名前がアカバナだから似ているはずである。早速、花弁の中を確認した。中央に割れ目が入っている。間違いなく、この花はアカバナになる。1つ知識が増えた気がした。
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 沼地を見ると、ミゾソバとアキノウナギツカミが混生している。白色っぽい花はどちらも共通している。個々の花を見ていたのでは、どちらがどっちなのか区別が難しい。何かで、「ミゾソバの花の方が大きい」と覚えた気がする。丁度両方があるので比べられる。一緒に写真に撮ると、明らかにミゾソバの方がひと回り大きいことが分かった。葉を見ると、この2つの違いは明らかである。ミゾソバの葉の基には耳があるのに対し、アキノウナギツカミの葉には耳がない。
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 左:アキノウナギツカミ 右:ミゾソバ

撮影:1019
 
  記  平成281020日(木)