公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

ミズキとシロダモ

1024日(月)
 
 作業場の裏に雑木林がある。ここの斜面が上へずっとつながっているものと思えたが、よく見ると、直ぐ上に道路がある。ここの自然生態園へ入ってしまうと、環境が一変してしまったので、四方八方にこのような田園の風景が広がっているものと思えてしまった。
 薄暗い雑木林を見つめた。葉が上の方にあるので、樹木名を判断するのには幹を頼りにするしかない。多くの樹の幹には縦の方向に割れ目が入っている。この割目はクヌギやコナラを示している。薄らと見える葉から判断すると、コナラと思える。
 作業場の直ぐ裏に灰白色のわりと太い幹があった。縦方向に浅い溝が入っており、途切れた線模様に見える。この模様を見ると、この辺に多く見られたイヌシデと思えた。上にある葉を何とか捉えられないかと望遠写真を撮ってみた。それを見ると、写っていた葉はイヌシデではなかった。写真の葉には鋸歯が見られない。幅広の五角形で、先が急に細まっている形を見て、この葉はミズキではないかと思った。ミズキの幹も灰白色で、縦方向に途切れた線模様に見える。
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左:ミズキ 右:シロダモ

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 ミズキの葉

 ミズキの樹に張り付いたように細い樹があり、幹を見ると、色は灰白色で、不規則な形に樹皮が剥がれた痕が無数に残っている。この奇妙な幹だけだと何だか見当がつかない。此方の樹は手の届く高さに葉があったので近くで写真を撮ることが出来た。写真には果実も写っている。葉は長楕円形で、先は次第に細くなっている。基部は丸みを帯びている。表面は緑色で、裏面は灰白色になっている。葉脈を見ると、ヤブニッケイと思えるが、どことなく違う気もする。ヤブニッケイの葉脈は3脈が1段とはっきりしているが、この葉は3脈が2段、3段と続いている。果床を見ると、ヤブニッケイは浅い杯形になっているが、写真にはこの浅い杯形が見えない。どうもヤブニッケイとは違うように見えてきた。ヤブニッケイに似ているものにシロダモがある。そこで改めて、シロダモを調べて見た。シロダモの葉は長楕円形または卵状長楕円形で、ヤブニッケイより幾分大きめである。この果実の写真を見た時、浅い杯形がなく、楕円形をしていることに気が付いた。この樹はシロダモになることが分かった。「シロダモは葉が枝の先に集中している」ということが頭にあったので、この樹はそのように見えなかったため、ヤブニッケイと判断ししたことが大きな誤りであった。
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右の細い樹がシロダモ

イメージ 4
 シロダモの葉と果実

撮影:1010

  記  平成281013日(木)