公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

果実を飛ばしたツリフネソウ

1021日(金)
 
 三ッ池公園に入り、フユザクラを見た。例年見ているが、このサクラが咲いたのを見計らって来たことがない、毎年、この開花を見て、「もうこの時期になったのか」とフユザクラから時の流れを知らされる。この花を見て、直ぐに閃いたのはジュウガツザクラの開花であった。南門にあるジュウガツザクラが花を付けなくなったので、ジュウガツザクラの開花の意識がないままフユザクラのところまで来てしまった。ここで、フユザクラに「ジュウガツザクラが咲いているよ」と教えられたようだ。
 ジュウガツザクラは中の池の角に1本残っている。このサクラを見に行った。フユザクラが一重であるのに対して、ジュウガツザクラは八重である。花数は少ないが、確かに咲き始めていた。太陽の光を受け眩しく見える。花が小さく、白色なので、鮮明な写真が撮り難い。何とか、八重であることが分かる写真が撮れた。
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 先日、ケヤキとコナラの冬芽を撮影していたことを思い出し、南門へ戻った。ケヤキは斜面を少し上ったところにある。以前のカメラなので、使い方を忘れている。中々接写が出来ず焦った。焦ると余計うまくいかない。ケヤキの冬芽は、丸みを帯びた三角形で、先端がとがっている。ごく小さいが、冬芽の形がよく分かる。
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 ケヤキの冬芽

 コナラはケヤキの林の上にある。ケヤキ、コナラも下に枝が下がっていたので、接写が出来た。コナラの冬芽も先端がとがっているが、此方は丸味がなく、稜がある。稜の数を知りたかったが、今日は先を急ぐので、確認できなかった。
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 コナラの冬芽

 今日は、カメラを紛失したための撮り直しである。パークセンターのツリフネソウだけは撮影しておかなくてはならない。午後に予定があったので、急いでパークセンターへ向かった。カメラを失くした日には、ここで、コリアの催しが行われていた。その時の記録も今は手元にはない。ツリフネソウのところへ行く途中、ミツマタが蕾をつくり始めていたことを思い出し、急いで写真に収めた。ミツマタは、枝が3つ、3つと別れていく。「1か所ぐらい2つに分かれるところがあるのでは…と思い、よく見たことがある。しかし、どこでも3つに分かれていた。不思議だと思った。今は葉をつけているので、枝の別れ方の姿は分かり難い。ミツマタは、この大きな蕾の中に、さらに別の蕾が含まれている。
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 ミツマタの蕾

 ツリフネソウは沼の左側にある。一帯がピンク色をしたツリフネソウで覆われている。先日、ここで面白いことに気が付いた。ツリフネソウの接写写真を撮ろうと花に手を触れた時、「ピシッ」と音がし、何かが飛んでいった。飛んだのは果実だと思った。この面白そうな現象を見て、昔読んだ寺田寅彦さんの「藤の実」を思い出した。
「昭和七年十二月十三日の夕方帰宅して、居間の机の前へすわると同時に、ぴしりという音がして何か座右の障子にぶつかったものがある。・・・それは庭の藤棚(ふじだな)の藤豆(ふじまめ)がはねてその実の一つが飛んで来たのであった。」懐かしい随筆である。牧野さん、寺崎さんは「熟すと、花被が裂けて種子をとばす」と記録している。触った時どうなるかについては記録がないので分からないが、恐らく気が付いていたのではないだろうかと思う。
 最初偶然かと思い、別のツリフネソウで再度試みた。すると、同じように、「ピシッ」と音がし、何かが飛んで行った。飛んだものを確認しようとしたが、既に叢に散らばっていて、探すことが出来なかった。記憶では小さなものではなかったので、果実ごと飛んだのではないかと思われる。
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 果実を飛ばしたツリフネソウ

撮影:1018
 
  記  平成281018日(火)