イヌコウジュの検証
10月14日(金)
草原の中の雑草は、太陽の日をいっぱい受け、青々としている。長閑で、静寂な環境にある。ベンチでは、裸になり日光浴を楽しんでいる人もいる。子供を連れた家族がやって来た。草原の隅にある池を見つめている。何かが目に付いたのだろう。池の方に目をやると、石の上に亀が出てきて日向ぼっこをしていた。危険がない長閑さが感じられる。
池
日向ぼっこをしている亀
草原には色々な草がありそうだ。カゼクサ、メヒシバ、チカラシバは先程見てきた。更に見ていくと、キンエノコロ、アキメヒシバが見つかった。そろそろキンエノコロも花の終わりに近づいていると思われるが、草原のものはまだ十分元気さが伺える。やはり日光がよく当たり
キンエノコロ
これだけたくさんのメヒシバがあるので、「この中にはアキメヒシバがあってもおかしくない」と探すと直ぐに見つかった。アキメヒシバは、背丈が低く、小花も小さいので、よく見かけるメヒシバより貧弱に見える。小さな果実が整然とならぶ幾何学模様には自然がつくり出す驚異の美を感じる。
アキメヒシバ
アキメヒシバの小花
今日の目的であるイヌコウジュを探した。しかし、カゼクサ、メヒシバ、チカラシバなどが生い茂っている場所には1株も見つからなかった。やや日陰になるところに道がある。その道へ近づくとカゼクサ、メヒシバ、チカラシバに替わり、イヌコウジュやヌカキビが現れ出した。「これも住み分けかなぁ」と思った。
早速イヌコウジュを見た。葉は翼をもった柄で茎に対生している。葉の周りには浅い鋸歯が7-8対ある。茎には稜があり、短い毛がついている。葉鞘から出た花茎には広卵形の葉が1対つき、花茎はさらに伸びている。やや赤みを帯び、短い毛に覆われた花茎の先には対をなすように小花がついている。小花は唇形花で、上唇が3つに割れている。写真が鮮明でないので、細かいことは分からないが、上唇の内面に2つ何かが見える。ひょっとしたら雄しべになるのだろうか。下唇の内面には毛が見える。以上の特徴からこれはイヌコウジュだと判断した。
イヌコウジュ
イヌコウジュの花序と基の葉(広卵形)
イヌコウジュの葉(浅い鋸歯が7-8対)
イヌコウジュの花
イヌコウジュを確認し、次にヌカキビを見た。ここの草原を見ることによって、イヌコウジュとヌカキビが同じ環境に育つことを知った。ヌカキビは花火のような小花をつけている。その小花をよく見ると、2つが1対になっている。更に、ヌカキビの特徴は葉鞘の片側に毛があることである。何故だかその理由は分からない。
ヌカキビ
ヌカキビの鞘;片側のみ毛がある
撮影:10月2日
記 平成28年10月5日(水)