公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

これはイヌコウジュになりそうだ

929日(木)
 
 長雨が上がり、やっと秋らしい日になった。観察しておきたい植物があったので、三ツ池公園へ出かけた。
 いつもの通り南門から入り、右側の坂を上って行った。観察したいものの1つが坂の途中の左手にある。坂を上って行くと、チカラシバが大分出ているのが分かった。左の草原へ入ろうとした時、「これはチカラシバだったか」と自分の予想が違っていることに気が付いた。
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カゼクサでなく チカラシバだった

 細長い葉、葉の中央の脈が浮き出ているところから、これはカゼクサと判断していた。この間違いから、「チカラシバとカゼクサはどこが違うのか」という課題が湧いてきた。2つは隣同士にある。葉を比べてみた。長さ、幅、更に中央の脈の浮き方はほとんど同じである。花穂を抜きにして、違うところはないだろうかと探した。茎の根元を見ると、何方も扁平である。葉の付け根を見た。カゼクサは横へ毛がはみでているが、チカラシバにはそれが見えない。1つ下の葉の付け根も同様である。「ここが違うのかぁ」と思い、写真に記録した。改めて、写真を見ると、肉眼ではチカラシバの葉の付け根に見えなかった毛が写っている。これでは、葉の付け根の毛の有無でこの2つを確実に区別することが出来ない。原点に戻り、資料を当って見た。しかし、この解答の手掛かりになるものは見つからなかった。
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カゼクサ
 
 「なぎ倒さたものが何か」これを知ることが今日の1つの目的である。前回の時は、未だ枯れていないので、若しかしたら穂を付けてくれるのではと期待していた。ところが来てみると、枯れてしまったようで、変化を知ることが出来なかった。そのそばでは、トダシバが青々として穂を付けていた。若しかしたら、この倒れて、枯れてしまった植物はトダシバだったかも知れない。課題が解決できず残念だった。
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 トッダシバ?

 道に出ると、道沿いにチカラシバが穂を出していた。前回来たときは、穂が出ていなかったので、葉を見てこれらはカゼクサと思っていた。「チカラシバだったか」と納得しながら、坂を上って行った。チカラシバから離れたところにはトダシバもある。チカラシバとトダシバの空間を埋めるようにキツネノマゴが見えた。「未だ、キツネノマゴが咲いている」と思いながら進んで行った。そのうち、キツネノマゴはこんなに大きくなかったことを思い出し、キツネノマゴの異変に気が付いた。そこで、よく見直した。葉が対生であるが、この葉には明瞭な鋸歯があり、花序も尾の様ではない。キツネノマゴとは別物であることに気付いた。
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 試料

 キツネノマゴでないとすると、何になるのだろうか。頭には、ここから上へ行ったところにあるイヌトウバナが浮かんできた。何か似ている。今日は、イヌトウバナを再度調べることにしている。その時、「この花は、若しかしたらイヌコウジュウではないだろうか」と思い付いた。イヌコウジュについて調べると、「全体に細毛が多い。茎が紫色を帯びることが多い」との説明がある(資料⒈)。よく見たが、毛はあるが、茎は紫色を帯びていない。果たして、イヌコウジュになるのだろうか。イヌコウジュについて調べ始めると、似ているものとしてヒメジソが出てきて、問題が複雑になってきた。イヌトウバナ、イヌコウジュ、ヒメジソを考えることになった。過去の資料を調べると、イヌトウバナは小花が輪生している(資料2)ことから考えると、イヌコウジュかヒメジソになりそうだ。
 
 資料⒈を読んで行くと、「花序の直下の葉は広卵形になる」と説明されている。写真と実物で再確認すると、成る程と頷けた。ヒメジソについて資料3には、葉の裏面に「腺点が多く、脈上にまばらに長毛がある」との記載がある。この試料の裏面を見ると、全体に短い毛が見えるが、脈状の長毛は見えない。茎の色が気になるが、これはイヌコウジュになりそうだ。
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花序の直下の葉は広卵形

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花序の直下の葉は広卵形
 


撮影:925
 
  記  平成28925()