イヌコウジュ、ヒメジソ、イヌトウバナ、トウバナについて、
8月29日(月)
林床にイヌトウバナが沢山咲いている。この花も最初見た時は、名前が分かり難かった。イヌトウバナ、トウバナ、ヒメジソと皆よく似ている。それもそのはず、いずれもシソ科の植物である。
イヌトウバナ
イヌトウバナ、トウバナはシソ科トウバナ属であり、イヌコウジュ、ヒメジソはシソ科イヌコウジュ属である。トウバナ属とイヌコウジュ属の違いはどこにあるのか知りたく、保育社の図鑑で調べて見た。
保育社の図鑑より
・トウバナ属とイヌコウジュ属の違いは完全な雄ずいの本数にあり、完全な雄ずいが2本ならイヌコウジュ属、4本ならトウバナ属になる。
・イヌコウジュ属についてみると
ヒメジソとイヌコウジュの違いは、葉の厚さと形、鋸歯の数にある。ヒメジソは葉がうすく、広卵形-菱状卵形で4-6の粗鋸歯になる。イヌコウジュの葉はやや厚く、卵形-長卵形で6-13の低鋸歯となる。
・トウバナ属についてみると、
葉の裏に腺点があり、萼に開出軟毛が多ければイヌトウバナになり、腺点がなければトウバナになる。
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以上を参考にして、試料を見直した。
試料1
試料2
試料3
試料4
検索表を見ると、いきなりおしべの数を見ることになった。写真では2本までは分かりそうだが、それ以上は分からない。いろいろな資料の写真を参考にしたが、解答は得られなかった。4本と確認するには、花の解体が必須になる。従って、分類の手掛かりを雄しべの本数以外に求めなくてはならないことになった。
「上記の4つをどのように見分けたらよいだろうか」と考えていると、苞や小苞に違いがあることが分かった。
苞、小苞は披針形・・・イヌコウジュ属(試料1、試料4)
試料1
試料4
苞、小苞は披針形でない・・・トウバナ属(試料2、試料3)
試料2
試料3
○試料1と試料4はどこが違うだろうか。葉を見ると鋸歯の数が違うようだ。
試料1・・・鋸歯は6対以上、萼の先端は先が尖る → イヌコウジュ
試料4・・・鋸歯は6対以下 → ヒメジソ
以上のことから考えると、試料⒈はイヌコウジュ、試料2はヒメジソになりそうだ。
○試料2、試料3はどこが違うだろうか。
試料2
試料2・・・鋸歯は6対以上
試料2萼に長い開出毛が多い →イヌトウバナ
試料3 鋸歯は6対以下
試料3・・・萼の毛は短い → トウバナ
以上のことから考えると、試料2はイヌトウバナ、試料3はトウバナとなりそうだ。
一応自分なりには分類して見たが、ヒメジソはどうも違う気がし、不確かなところがあると思う。
撮影:8月21日他
記 平成28年8月23日(火)