ナンバンギセルが見つかる
8月25日(木)
畦道を歩いていると、青紫色の小さな花が見えると大抵がアキノタムラソウである。幾つかのアキノタムラを見過ごしていくと、「オヤッ」と思えるものが現れた。アキノタムラソウは青紫色とばかり思っていたが、白色のものが見えた。直ぐ隣に何回も見て来たアキノタムラソウがあるので比べてみた。色違いで、そっくりである。調べて見ると、白色のアキノタムラソウがあることが分かって来た。シロバナアキノタムラソウと名前が付けられていた。
アキノタムラソウとシロバナアキノタムラソウ
シロバナアキノタムラソウ
シロバナアキノタムラソウの直ぐ近くに、これまた小さな淡青白色の花が見えた。花は小さいので写真に撮ってみると、シソ科の仲間のようだ。唇形状の花で、下唇が3に裂けているように見える。このような花で思いつくのは、イヌトウバナである。花の形はイヌトウバナに似ているが、萼に出ている毛がイヌトウバナほど長くはない。また、葉の形も先の方が尖っておらず、何方かというと、鈍形で丸味が感じられる。似ているイヌコウジュ、ヒメジソとも比べてみたが、下唇の裂け方に違いがあるようだ。そこで、トウバナで調べ直した。すると、下唇の裂け方が似ている。萼の毛を見ると、長くない。葉の先も鈍形のようでよく似ている。以上のことからこの花はトウバナと思える。過去の記録を調べると、5月12日に1度見ていることになっている。今回見たものは、一回り、二回りも小さいので、別物に見えた。
トウバナ
水路の中から大型なカヤツリグサが伸びていた。1度舞岡公園の水田で見た覚えがあるが、名前が思い出せない。過去の記録を辿ってみた。すると、ヌマガヤツリグサの名前が出てきた。「沼に生えるカヤツリグサだから、ヌマガヤツリグサ」か、と記憶を新たにした。
ヌマガヤツリグサ
真っ直ぐ伸びているタカトウダイがあると思えば、横に伏せているものもある。先日も見ているが、名前を知るのが精いっぱいだった。枝先に付く花を見ると、2種類があり、花弁はついていない。黄色い花弁に見えるものは雄花の腺体で、雄花が4つあることを示している。疣が付いた球体は雌花の子房で、その先に3本の花柱が出ていて、先が2つに分かれている。
タカトウダイの花
遊歩道へ上がろうとしたところ、草むらの影に珍しそうな花が見えた。これと言って綺麗に映ったわけでもないので、2枚撮影しただけにしておいた。名前が分からないので、色々手掛かりを探して調べた。「ひょっとしたらナンバンギセルではないか」と思い付き、資料を調べて見た。偶然だがよく似ている。花の形がキセルに似ていることから命名されたという。この花はススキに寄生するという。花を見ているときは、周りのものには目をくれていなかったので、ススキがあったかどうかは分からない。写真で見直したが、確かに細い葉をしたものがあるが、ススキの葉とは確認できなかった。
撮影:8月17日
記 平成28年8月20日(土)