この樹はカラスザンショウだった
7月29日(金)
アキエノコログサの直ぐ近くにススキがあった。株が小さく、葉が未だ長く伸びていない。しかし、中央の葉脈に灰白色の線模様があり、触るとゴワゴワしている。縁には鋭い鋸歯がある。この小さな状況でもススキの特徴を知ることが出来る。他所で、同じように小さな株を見ているが、それの葉は灰白色の線模様が明確でないので、ススキかどうか決め兼ねている。
ススキ
ススキ?
奥にクサギが見える。ここの藪ではこのクサギが広い範囲を占めている。枝の先に白色の蕾が見える。円筒型の花で、先が5つに分かれる星形の花をつける。咲いているものがないかと探したが、花は視野に入ってこなかった。
クサギの蕾
クサギの蕾を見ていると、下に大きな艶のある葉が見えた。円形に近い形で、元部が大きくえぐれている。縁には粗く浅い鋸歯が見られる。つるを辿って行くと、全く別のような葉が出てきた。3つに割れており、中央は三角形に突き出ている。両端の2の鋸歯は先が尖るが、全体の形は丸みを帯びている。裏をよく見ると、艶があり、葉脈上に毛が見える。つるは各節から出ている。これは先ほど見たノブドウではないか。前の葉とは全く葉の形が違っている。こんなにいろいろな形があるものだろうか。
ノブドウ:葉の裏
ここの藪は、人の手が入らず、クサギを中心に鬱蒼としている。足元にミズヒキが見えた。ミズヒキはもう何度も目にしているので別段珍しくないが、今日は赤い色が鮮明に映った。「こんなに綺麗になるのかぁ」と知った。
ミズヒキ
クサギの横に細く高く伸びた樹がある。奇数羽状複葉の大きな葉を見て、「今までこの樹はオニグルミではないか」と見ていた。ところが今見ると。違うことが分かってきた。葉影に小さく、丸い果実が沢山かたまっている。オニグルミの果実の姿ではない。何か別のものがくっ付いているのかと思ったが、そうでもないらしい。写真を見ると、枝に赤褐色の棘が見えた。オニグルミに棘はない。棘のある樹木で検索していくと、カラスザンショウが出てきた。果実を見ると、写真によく似ている。「この樹はカラスザンショウになるのか」と思った。
カラスザンショウ
カラスザンショウの果実
撮影:7月23日
記 平成28年7月25日(月)