これはススキになるか
7月9日(土)
ケヤキ林の下草を調べていると、日の当たるところにススキに似た長い葉が見つかった。しかし、それを見ていると葉の中肋が白色でない。触ってみると表裏とも毛がないようだが、表面の端を上から下へ触って行くと、何か引っかかる感触がある。ススキのように思えてならないが、中肋が白色でない点が気になる。
試料
葉の表面を見ると、下から上へ向かう毛が認められる。触った間隔では分からなかったが、意外と長い毛となっている。葉の裏にも同じような毛が見えた。この毛が何か引っかかる感触の原因なのだろうか。
葉の表
葉の裏
葉舌がどの様になっているか見ると、周りに長い毛が密生していて葉舌の姿が確認できない。一寸上の瘤のような節、下の葉鞘を見ても沢山の長い毛がある。特に葉鞘の長い毛は開出している。
鞘口
葉鞘
根元がどうなっているかかき分けて覗いた。何本もの茎が犇くように出ている。下の方は茶褐色気味だが葉鞘にはやはり長い開出毛が見られる。
ススキの葉舌、鞘口、葉鞘について知りたくなり、調べてみた。
牧野新日本植物図鑑では
葉は・・・・下部は長い鞘となっていて・・・、通常無毛であるが、時に・・・下方のものに長い長毛がある・・・。
日本草本植物総検索誌(杉本順一著)では
葉は著しく長くして厚い、葉舌に長毛あり、葉の幅8~20㎜
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と記載されており、葉舌に長毛があることが明らかになってきた。
以上を参考にすると、ススキの葉舌、葉鞘に長毛があってもおかしくないといえそうだ。いろいろ調べているが、鞘口に長毛がある写真は見つかるが、葉鞘に長毛がある写真が見つからない。この点の疑問が未だ可決できていないが、試料は恐らくススキではないかと思う。花が咲き出すのが楽しみである。
撮影:7月6日
記 平成28年7月7日(木)