公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

ナガハグサを調べる

519日(木)
 
試料
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 ナガハグサには走出枝があるという。この走出枝の有無がナガハグサとイチゴツナギの違いを見る決め手になっているといわれているが、それを明示した写真等はほとんど見当たらない。そこで、自分の目で確認できるだろうか確かめることにした。
 ナガハグサのあるところへ行くと、油断していたこともあり、殆ど刈られてしまっていた。何処かに残っていないだろうかと探すと、道路に面した植込みにそれらしきものが1本だけあった。これも枯れかかっているようで勢いがない。茎には止め葉1枚以外の葉はついていなかった。根生葉を見ると長く、ナガハグサの特徴を示している。計測すると、長さは22cm、幅は2㎜程だった。この特徴だけ見てもナガハグサと言えそうだが、さらに詳細を見た。背丈は30㎝と小さい。花序の長さは6cm。葉の先の舟形は止め葉の先で確認が出来ている。
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止め葉

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根生葉

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葉舌

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花序

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小穂
 
 最後に、走出枝を見ることになった。こてを使って端から土を掘り下げていった。力を入れると、根が切れそうなので、少しずつ掘ることになる。周りを掘り、下にこてを入れ掘り出した。下へ延びる根は殆どないので、切断することがなかった。根が塊状になっている。この段階では、走出枝の存在は確認できない。こてで叩きながら根を解した。叩いては土をほどく操作を繰り返した。細いひげ根の中に明らかにひげ根とは違う根が現れてきた。これが走出枝になるのであろうか。この走出枝の先が新しい個体に繋がっていると思われるが、隣の方は枯れたのか、別の個体がないので確認出来なかった。
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走出枝

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根生葉と走出枝
 
 ナガハグサの走出枝を確認することは長い間の課題だった。普段観察に出かけるときは、土を掘るためのこてを持って行かないので、気が付いたときには掘ることが出来なかった。今日は不満足ながら走出枝の確認が出来たようだ。
 
撮影:518

記  平成28518()