公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

イイギリの冬芽を見る

223日(火)
 
 トイレの脇のマテバシイスダジイなどを見た。マテバシイスダジイを知るために何度此処へ来ただろうか。枝が下まで来ているので見るのに都合がいいと、次回来るとすっかり剪定されていたこともあった。いろいろなことがあったが、ここはマテバシイスダジイなどを学ぶに都合のいい場所に変わりない。ここ数年この光景は大きく変わっていない。
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 左側の真ん中辺にスダジイなのか迷った樹がある。葉の裏を見れば違いが明らかになるが、表面を見ていると、区別しにくい。
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写真A

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写真B

観察結果
 
葉柄
葉の先端
鋸歯
葉の裏
1から2cm
先が尖る
やや鋭い鋸歯
灰緑色
1cm
尾状に長い
波状の鋸歯
褐色
 
 どこが違うか見ていくと、葉柄、葉の先端、鋸歯に違いが見えてきた。今までは葉の裏の色の違いだけを見て、裏が褐色ならスダジイと決め込み、それ以外の観点は軽視していた。改めて見直すと、この3点に若干の違いが見られることを知った。
 
  窪地へ向かう斜面にヒノキ、カエデに混じってイイギリの樹がある。幹は灰色で、一見ケヤキのように見える。樹皮が剥がれない点が違っている。この樹も高木なので花などが知り難い。赤い果実が連なった時の光景は遠くからも「あそこにイイギリの樹がある」と分かる。この斜面を下り始めると、シラカシの果実がたくさん落ちているので、滑りやすい。何とか下り、冬芽が見える枝がないか探した。いつもはないものが今日は偶然見つかった。
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イイギリ

 枝先に丸い冬芽のようなものがあったが、肉眼で見ていたのでは、詳細がさっぱり分からない。写真を撮ってみた。丸みが少しゆがんだ葉痕が見える。中は薄い緑色をしており、維管束の痕らしいものがいくつか確認できる。冬芽は葉痕に接してある。下の部分が白色の網の目のようになっているところは他の冬芽にはみられない点である。鱗芽、裸芽の区別は難しい。多くの資料には、鱗芽で、半球形、芽鱗が710枚と説明があるが、半球形ということが分からなかった。そのうち幾つか調べていくと、写真の頂芽は既に半球の形が割れてきて、中のものが出始めていることに気が付いた。そう考えると、芽鱗の枚数も頷けるようになった。
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 イイギリの冬芽
 
 つづいてナンキンハゼの樹を見ようとしたが、この樹の枝は高くて全く手が届かなかった。望遠で撮影を試みたが、鮮明な写真が撮れず、今回は諦めざるを得なかった。
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ナンキンハゼ
 
 近くにトチノ樹がある。トチノキ樹の冬芽は既に他の場所で見ている。岸根公園でも昨年見ている。それでも、今年の岸根公園トチノキの冬芽を見ることにした。円形の葉痕が見え、その上に冬芽が見える。頂芽は明らかに側芽より何倍も大きい。何方の冬芽も暗赤胴色で、日に照らされ輝いている。
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トチノキの冬芽
 
撮影:219

  記  平成28220()