この樹がコムラサキだった
2月20日(土)
古民家を出て畦道を進んだ。水車小屋までの畦道にはハンノキ、キブシ、ウツギ、マユミ、コムラサキなどの樹が出てくる。ハンノキだけは雄花、雌花の花序がついているので分かるが、後の4つはよく見ないと分からない。
この樹の名前は何というのだろう。4つの内の1つであることは間違いない。枝をいろいろ辿って調べていくと、枝の先に花芽が連なっている。それを見て、この樹はキブシと分かった。キブシの花芽は分かるが、葉痕や冬芽はまだ見ていない。枝を見ると、小枝が出ており、その先に冬芽がある。葉痕が積み重なりその上に冬芽がついている。このつくりはイチョウのつくりに似ている。葉痕が4段ぐらいあることから考えると、この枝は4年の年数が経っているようだ。冬芽の様子は写真が鮮明でないのでよく分からなかった。
キブシの冬芽
ハンノキの花序は見ているが、側芽を見ていない。側芽は枝に互生しており、葉痕の上から出て、枝に伏している。薄い褐色だが、幾分赤紫色のところが見られる。
ハンノキの側芽
畦にはたくさんウツギの樹がある。このウツギの樹を見るときは、いつも果実がついている。先日冬芽を見た時は、冬芽はいくつかかたまっていて、よく分からなかった。この点を確認した。葉が対生しているので、冬芽が葉腋に出来ることを考えると、2個対生していると考えられる。写真1を見ると、対生と確認できる。更に、1つの葉痕を見ると(写真2)、同じ大きさの冬芽が2個見える。もう1度写真1を見ると、1か所に3つぐらい冬芽がついているようだ。1つだけが主芽で、他は副芽になるのだろうか。
写真1
ウツギの冬芽:対生である
写真2
同じ大きさの冬芽が2個見える
確かここにコムラサキがあった気がしたが、この時期になると、分からなくなってしまう。冬芽を頼りに探した。コムラサキの花枝は葉腋から離れたところから出ている。見ると、運がいいことに見つけようとした花枝の痕跡が見つかった。葉痕の上に冬芽があり、さらにその上に花枝がついている。このつくりはコムラサキのつくりを表している。冬芽を見ると、小さな卵形をしている。冬芽を包む一番外側の小さなものは芽鱗になるのだろうか。拡大すると、大きな芽鱗が開き始めているようだ。
マユミの冬芽は赤褐色の枝に対生しており、全体が丸味を帯びている。先端をよく見ると尖っている。この冬芽も副芽を伴っているようだ。
マユミの冬芽
撮影:2月7日
記 平成28年2月10日(水)