冬芽を調べる 6 「イチョウの冬芽」
1月20日(水)
イチョウの冬芽
イチョウの樹は身近に見ることが出来る。雌株は秋にギンナンと呼ばれる果実をつくる。この果実は食用になるが、公園などに落ちていると、堪らない悪臭を放つ。そんなイチョウだが、晩秋の黄葉は見事である。正に黄金の輝きを見せてくれる。このイチョウの冬芽を調べて見た。
冬芽を見ていると、2種類あることに気が付いた。
写真1:イチョウの冬芽
写真2:イチョウの冬芽
写真1は、枝から瘤の様に冬芽が出ている。写真2は、枝から立ち上がった短い枝の先についている。
写真1は、普通に見られる他の種類の冬芽と同じつき方であるが、写真2は
少し変わっている。最初見た時は「こういう冬芽もあるのかぁ」と驚いた。
写真1は。葉芽の脇に瘤の様に膨らんでいる。上下に三日月形をした樹皮が見られる。これは冬芽を覆っている芽鱗になるのだろうか。中央には球面体の冬芽本体が盛り上がってきている。この本体は複数の芽鱗で包まれているように見える。
写真2は先端に冬芽がついていることは分かるが、そのほかのことは分からない。
そこで、資料を当って見た。
資料1
資料2
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上記の資料を見ると、枝から立ち上がった短い枝は、以前の葉痕が積み重なって出来たものと説明されている。成程、ごつごつしているところをよく見ると、葉痕があることが分かる。資料1では、この葉痕の積み重なりを数えると枝の年数が分かるという。
写真3:イチョウの冬芽
写真3を見ると、葉痕が2つあり、階段状になっている。写真で上に見える葉痕は一昨年のもので、下の葉痕が昨年のものと言えそうだ。すると、冬芽のついている枝は2年生になる。冬芽の左側に見える褐色の2つの塊が何だか分からなかったが、資料1,2を見てくると、昨年の冬芽の痕跡に見えてくる。
写真4:イチョウの冬芽
写真4も写真3と同じ2年生の枝と思える。
考察
今まで枝の年数を考えながら観察してこなかった。イチョウの冬芽を学び、「葉痕を数えると、枝の年数が分かる」ことを知ることが出来た。このことを応用すれば、他の種類の枝でも年数が分かるかも知れない。。
撮影:2014.1.16、2016.1.18、2015.12.27、2013.12.24
完
記 平成28年1月18日(月)