公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

冬芽を調べる 1 「サクラ・ケヤキ・コナラ・ウメ」

114日(木)
 
 冬場は樹木に花や葉がなく名前が分かり難い。唯一手掛かりになりそうなのが冬芽である。いろいろな樹木の冬芽の写真を撮り、樹木の名前を考えているが、冬芽そのものについて深い知識がないので、少し調べることにした。
「冬芽とはどんなものか」と資料を探すと、
http://fuyume.com/fuyumekansatu2.htm(冬芽の種類)」さんの資料があり、読んでいくと、基礎的なところから詳細に説明されていた。
 この資料によると、冬芽として、鱗芽(りんが)、裸芽(らが)、隠芽(いんが)、葉柄内芽(ようへいないが)の4種類が挙げられていた。
 
 4つの内、まず鱗芽、裸芽の2つについて調べて見ることにした。
  鱗芽…冬芽が芽鱗(鱗片)で包まれている。
  裸芽…冬芽が芽鱗(鱗片)で包まれていない。
 鱗芽と裸芽の違いは説明では分かる。しかし、実物を見ていくと、「この冬芽はどっちに入るのか」といろいろ迷うことになる。そこで、分かりやすい冬芽から調べることにした。
 
鱗芽について

 サクラの冬芽は鱗芽のつくりをしているので、サクラの中のソメイヨシノについて調べて見た。

 例 ソメイヨシノの冬芽
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 ソメイヨシノの冬芽を見ると、小さな葉のようなものが堅く、瓦状に重なっているのが分かる。この小さな葉のようなものが鱗片(芽鱗)になる。最初は、鱗片(芽鱗)が萼になって行くのではないかと思った。しかし、開花してくる花を見ると、枝に鱗片(芽鱗)が残されている。そのことから萼は鱗片(芽鱗)の内側にあったことが分かる。ここで、初めて、萼と鱗片(芽鱗)とは別物であったことが分かってきた。
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枝に鱗片(芽鱗)が残されている

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枝に鱗片(芽鱗)が残されている
 
 同じような堅い鱗片(芽鱗)に包まれた冬芽の中にケヤキ、コナラなどがある。
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ケヤキの冬芽

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コナラの冬芽
 
 ウメの冬芽は鱗芽に入るのだろうか。ウメの冬芽に注目するようになるのは膨らんでくる1月である。その前は変化が少ないので、疎かにしてしまう。実際に疎かにして見ていなかった。
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ハクバイ
 
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写真1

 写真1は、冬芽が開き、中の蕾が出始めているところである。外側に見える赤褐色で瓦状のものが鱗片(芽鱗)になるのだろうか。

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写真2

 写真2は、冬芽が開き、中の蕾が出始めているところである。蕾が大分外へ出てきている。「鱗片(芽鱗)」はどこか」と聞かれると、「ここだ」とはっきり示せない。枝に付いている6枚ほどの赤褐色のものは鱗片(芽鱗)と思うが、その上に暗く、大きく突き出て見えるものは鱗片なのか、それとも萼のか、恐らく萼になるのではと思うが、判断が難しくなる。
 
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写真3

 写真3で見ると、「上で、恐らく萼になるのでは」と思っていたことが間違いだと分かる。萼はもっとずっと大きい。萼は、写真2の段階ではまだ中にあって、見えていないことになる。萼が出て、花弁が出てくるものと思っていたが、逆のようだ。

考察
 以上のことから考えると、ウメの冬芽には鱗片(芽鱗)が存在する。ただ、それがサクラの様に堅くなっていない。もしかしたら、1月以前だったら、堅いかもしれない。
 
つづく
 

撮影:1227,15日等


  記  平成28113日(水)