カンザクラとフユザクラが咲く
10月27日(火)
南門を入ったところに10月サクラはある。見ると、先日と変わっていない。花は一つもついていない。どうしたのだろうかと思った。
10月サクラ:花がついていない
諦めて園内へ進みかけた。右の斜面を見ると、ケヤキの林近くまで草が茫々としている。いま、その主体をなしているはチカラシバである。チカラシバの中にカゼクサが混ざっているが、カゼクサは枯れ始め、その位置をチカラシバに譲っていることが分かる。
上の池の左側を見るとサクラが咲いている。諦めていた10月ザクラだろうかと近づくと、カンザクラの名札がついている。10月ザクラではなかった。直ぐ傍に、もう1本のサクラが咲いていた。こちらはフユザクラと名札がついている。何れも10月ザクラではなかった。カンザクラとフユザクラはどこが違うのだろう。見た目ではその違いが分からない。萼を見ると、カンザクラは緑が多く、フユザクラは褐色がかっている。
カンザクラ
フユザクラ
コセンダングサが咲いている。このような花を、長い間一律にアメリカセンダングサと考えていた。この花の仲間に数種類あることに気づいてから、何とか区別したいと調べてきた。
アメリカセンダングサの仲間は一般的に周りの舌状花と内部の筒状花から成り立っている。その中で、花の下に長い葉状の総苞がなく、しかも舌状花がないものはコセンダングサになる。葉、茎を見ると、コセンダングサは明るい緑色をしている。
コセンダングサの花:舌状花がない
ツリガネニンジンが見える。先日も見てきたが、何時見ても目が惹かれる花である。茎、葉を見た。茎には伏毛があり、4枚の葉が輪生している。花をつけると重くなるせいか、長い茎は大抵斜めに傾いている。この花も例外でない。
ノコンギクが見える。ようやく数が増えてきたようだが、例年より明らかに花数が少ない。例年ならば、今頃は薮の入り口などにはたくさん咲いている。ノコンギクと見ている花には白色のもの、青みがかったもの、花弁が細いもの・・・といろいろある。ノコンギクの目安になる冠毛を見ると、いずれも長かった。どれもノコンギクになるのだろうか。同定が難しい。
遊歩道を歩くと、まだギンナンの臭いにおいが漂っている。踏みつけたとき、「バリッ」と割れる音が聞える。カツラとイチョウの樹が見える。何れも色付き始めているが、カツラの方が心持ち早く黄色くなっているように見える。この景色を見ると本格的な秋の深まりが感じられる。
カツラとイチョウ
池の堤から上の池を見た。水が干し上がって、池の底に細い水の流れが見える。拡大すると、河の蛇行そのものとそっくりで、錯覚するぐらいである。中々見る機会のない風景である。
上の池の底の拡大
上の池の底
撮影:10月21日
記 平成27年10月26日(月)