公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

チカラシバの小花の弱さ

107日(水)
 
 花の広場を入ったところに大きなイタヤカエデの樹がある。その樹の足元から奥を見ると、一面にヤブマオが覆っている。藪の入り口や崖にポツンポツンと見ることはあるが、これほど大きな群落を見ることはあまりない。驚くばかりである。近くのヤブマオを見ると、虫に食われた痕が痛々しく残っている。調べて見ると、ゾウムシなどが寄りつくという。
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一面のヤブマオ

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虫の食べた痕
 
 ヤブマオに覆われた下に青紫色のようなものが見えた。つる性のタンキリマメかもしれないと思った。ヤブマオをかき分けると、つるが現れた。葉も見えてきた。つるを引くと、花が落ちてしまった。せっかく写真を撮ろうとしたのだが、上手くいかないものだ。つるを引き出すのは諦め、カメラを近づけて撮影した。
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タンキリマメ ヤブマメ
 
 ヌスビトハギ、アレチヌスビトハギがある奥へ進んで行った。すると、植え込みのピンクの花が見えた。花の感じからすると、ツバキかサザンカの気がする。しかし、季節を考えると、「この時期に咲くのだろうか」という疑問が湧いた。おしべの様子から判断すると、サザンカになる。調べて見ると、サザンカ10月ごろから咲くことが分かった。
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 花の広場の草原にはメヒシバが群生している。その中にイヌビエが混ざっている。イヌビエは珍しい花ではないが、あまり写真を撮っていなかったので、数枚撮影した。以前、別の公園だが、イヌビエにそっくりで極端に大きなものを見たことがある。これについては未解決である事を思い出した。
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イヌビエ
 
 オオブタクサが見える。昨年見た所とは違う場所に進出している。先日も鶴見川の河川敷に大繁茂している光景を見ている。穂が伸びているので、花粉がどうなっているか覗いた。ほとんどの小花の花粉は散布されてしまっていた。来年は、オオブタクサの生育範囲がさらに広がるのであろうか。
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 オオブタクサ
 
 草原の端に入ると、ヌカキビが見えた。このヌカキビもあまり確信のない花である。花茎の一部が最後の葉から出きっていない。枝分かれした穂の枝は細く、貧弱に見える。先の方に2個の小穂が1対になって数個ついている。葉鞘の片側に毛があることが特徴だったが、写真を撮るとき、すっかり忘れていた。
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ヌカキビ
 
 直ぐ近くにチカラシバがあったので撮影した。穂の形からチカラシバとはすぐ分かるので、詳細については調べたことはなかった。そこで少し観察してみた。細長い葉を束ねた株から10本近くの穂が出ている。まず、この穂の数の多さに吃驚する。穂からは無数の濃褐色をした毛が伸びている。この毛のようなものは総苞と呼んでいる。いわゆる萼に相当するものになる。穂から小花をつまんで取ると葯がポロリと落ちてしまう。葯を落とさないように再度試みると、総苞の一部が抜けてしまう。なかなかうまく取り出せないものである。総苞の長いものは小花の2倍ぐらいある。中央から白色の糸のようなものが長く伸び、その先に葯がついている。同じように中央からブラシの様な糸が出てきている。これはめしべに相当するようだ。葉や花茎の強さに比べると、穂と小花の弱さが印象的だった。
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撮影:929

  記  平成27102日(木)