舞岡公園 ツボスミレ・セリバヒエンソウ
5月8日(金)
スイバが大きくなっている。「土手のスカンポ・・・」という歌唱があったが、今はこの歌も唄われなくなってしまった。このスカンポがこのスイバであることは大人になって知った。田園風景を知らないで育つと、昔の人の豊かな情操感が分からない。スイバはギシギシとよく似ているので間違え易い。ロゼットの時などの根生葉を見ると、今でも迷う。
スイバ
水路の脇に白色の花が見える。花は幾つも咲いていない。葉を見ると、スミレの葉の形をしている。スミレの仲間だろうか。白い花もスミレに似ている。白色のスミレは今まで見ていない。早速図鑑で調べると、ツボスミレと出ていた。タチツボスミレはよく見る。どこが違うのだろうか。
ツボスミレ
水路の崖よりにハンノキが現れ出した。雄花が咲き出した時は遠くからもハンノキと分かった。今は雄花の付いているハンノキは1本もない。こうなると気づかず、素通りしがちになってしまう。今日も何本か通り過ぎたようだ。注意してみると、雌花が残っている。雄花が最盛期の時は、雌花は固く閉じているようで、変化が見られなかった。今見ると、一回り大きくなり、緑色のものが見えるようになっている。
ハンノキの雌花
目の前にコウゾの樹が現れてきた。コウゾは別の公園の藪の中で見たことがある。クワのような葉をしていた。この花を見てコウゾと気が付いたが、冬芽を見ている間は、コウゾの存在に気が付かなかった。赤い針のようなものが見られるのは雌花であり、下方で少し焦点ボケしているのが雄花であるという。
コウゾの雌花
青い面白そうな形をした花が見つかった。横向きにとんがり帽子のようなものがついている。最初はこれが花の一部とは思えなかった。セリバヒエンソウという。一寸変わった花だと思って調べてみると、繁殖力が強く、毒性があり、駆除対象になっている植物という。きれいなものには毒があるというが、本当の気がした。
セリバヒエンソウ
これはマユミと思う。花が咲き、果実が出来ればマユミとツリバナは見分けがつく。今はそのどちらもない。この時は幹や葉で区別するしかない。葉の基部の形、鋸歯の様子で見分けられそうだが、簡単ではないようだ。
マユミ
クワは身近な樹だが、樹木を調べ始めると、ヤマグワの名前が出てきた。いま目の前にある樹がそれになると思う。養蚕に用いるクワはマグワと言ってヤマグワとは別物だそうだ。果実が出来れば区別はできるが、葉などでは区別は難しいという。雌雄別株もあれば、同株もあるという。これは雄花がついているので、雄株になる。
ヤマグワ:雄株
撮影:4月29日
記 平成27年5月7日(木)