公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

この樹は何か…シダレヤナギへ到達する

218日(水)
 
 「ヤナギといえばシダレヤナギ、その姿は大きな樹木で上の方から長い枝がてれ下がっている。見る所は大抵水際である」ヤナギについてはこのようなイメージが強い。
 このシダレヤナギの小さいのを見たとき、この樹がシダレヤナギとは分からなかった。描いていたイメージと違い、似ているがなかなか判定出来なかった。
イメージ 1
名前が分からなかった樹木
 
 先日見たとき、迷った。ユーカリ、ヤナギ、オリーブ、ゲッケイジュなどを候補にいろいろ調べてみたが、答えが出せなかった。その後、いろいろな図鑑、検索表をあたったが、やはりそれらしきものには行き着かなかった。園芸樹木にもあたってみた。
 「何処かに載っているはずである」そんな思いでもう1度特徴を見直した。

・葉…互生、細長い、葉柄は不明、基部に毛がある、鋸歯はない
・枝…褐色、毛がある
・幹…縦方向に筋のような割れ目がある

 これに冬芽の特徴を加えてみた。冬芽はタブノキに似て、数枚の鱗片でおおわれている。そして、基の方に毛がたくさんある。同時に葉の基の部分にも毛があることが分かった。
イメージ 2
冬芽

 ユーカリの葉は曲がるので、明らかに違うことは分かったが、その後がなかなか進展しなかった。オリーブ、ゲッケイジュの冬芽を見ると、明らかに違っている。オリーブなどは葉が対生である。何度やり直してもここで行止まってしまった。
 シダレヤナギの冬芽をあたってみた。そっくりではないが、まあそそそこである。葉に入る白線と柄が一致しない。柄については、非常に短いというので、不明と判断してもよさそうだ。
イメージ 3
柄は不明
 
 シダレヤナギの葉の中央には白線が見られる。ところがこの樹の葉は白線が不明確である。「写真で見るこの程度でも白線というのか」と考えるとシダレヤナギの葉になる。
イメージ 4
これでも白線と見るか
 
 さらに幹を見直した。幹には縦方向に筋のような割れ目がある。いくつかの資料をあたると、よく似ている。
イメージ 5
縦方向に筋のような割れ目がある
 
 以上のことから、未知と思ったこの樹木はシダレヤナギと言えそうだ。
 
 
考察
 分かって見れば、たいした事でもない。「何で身近にあるシダレヤナギが分からなかったのか」と恥ずかしくなる。シダレヤナギの先入観がぬぐえず、回り道をした。1つの樹木でもその時の成長具合で姿が変わる。いつまでも1つの先入観で見ていると、解決に至れないことが分かってきた。
 

  平成27217日(火)