ヒナタイノコズチとヒカゲイノコズチの違い
10月15日(水)
ヒナタイノコズチ ヒカゲイノコズチ
「イノコズチにはヒナタイノコズチ、ヒカゲイノコズチがある」という。名前から察すると、日向にあるか、日陰にあるかの違いと思われる。しかし、普通に見ていたのではほとんど違いが見えない。「どこが違うのだろうか」と疑問を持つ人も少ないと思う。
先日、ヒナタイノコズチを調べ、およその特徴を知ることが出来た。すると、ヒカゲイノコズチとどこが違うのだろうか知りたくなった。そのためには、ヒカゲイノコズチを探す必要がある。日陰にあるイノコズチを求めに出かけた。
今イノコズチはどこにでもある。早速日陰に入り、そこにあるイノコズチを見ることにした。資料によると、2つのイノコズチの違いとして、次の点が上げられている。
1.小花のつく密度
2.葉、茎の毛の様子
3.かぎ状の苞の下にある付属物の大きさ
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1.小花のつく密度
「2種類を同時に見て比較すれば分かる」という人がいるが、実際にやってみると、そう簡単にはいかない。比べる資料によって違いが出てくる。なんとなくヒナタイノコズチの方が密のように見えるが、断定はできない。
ヒナタイノコズチ ヒカゲイノコズチ
・小花の大きさ
ヒナタイノコズチ花弁3mm、ヒカゲイノコズチ2mmと幾分ヒナタイノコズチの方が大きいようだが、沢山調べていないので、断定は難しい。
ヒナタイノコズチ ヒカゲイノコズチ
2.葉、茎の毛の様子
葉や茎を触ったり、肉眼で見ても違いは掴めない。ヒカゲイノコズチの方がやや葉が大きいような気がするが、ここの葉によって違いがあるので断定はできない。接写写真を撮って比べることにした。カメラで撮ったら見えてきた。明らかに違う。毛の密度、長さにも違いが見られる。ヒナタイノコズチの表面の毛には流れも用が見られる。
葉:表 ヒナタイノコズチ ヒカゲイノコズチ
葉:裏 ヒナタイノコズチ ヒカゲイノコズチ
茎を見ると、やはり大きな違いが見える。ヒナタイノコズチは明らかに密度が高く、長いことが分かる。
ヒナタイノコズチ ヒカゲイノコズチ
3.かぎ状の苞の下にある付属物の大きさ
かぎ状の苞は赤味を帯びていて、直ぐに分かったが、「付属物」とはどこの部分を指しているのか、最初は分からなかった。かぎ状の苞の下の部分を何度も繰り返し、アップしてみて、ようやく検討がついてきた。「白色の部分」がそうらしい。「この大きさに違いがある」ということだが、あまりにも小さい。物差を寄せルーペで見たが、大きさを測ることはできなかった。
ヒナタイノコズチ ヒカゲイノコズチ
考察
イノコズチの花は小さく、何処にあるかすら分からなかったが、調べて行くと、若い穂にあることが分かった。出たての若い穂には花の数が多いが、伸びた穂の場合は先に数個あるにすぎないことが分かってきた。5花弁花で、雄しべが5本、雌しべが1本ということも分かってきた。こんなに小さくても、花の原形が保たれていることには吃驚させられた。
記 平成26年10月15日(水)