ヒナタイノコズチ
10月10日(土)
イノコズチの名前は知らないが、秋に、野原や藪を歩いた時、小さくて細長いものが衣服について、中々取れず困った経験をした人は多いと思う。それがイノコズチと知れば、「ああ、あれか・・・」と頷けると思う。そのイノコズチが今は盛りと、至る所で見ることが出来る。そのイノコズチについて調べると、ヒナタイノコズチ、ヒカゲイノコズチ・・・などがあるという。それを知ると、「これらはどこが違っているのか」知りたくなる。そこで、日向によく見るヒナタイノコズチについて調べてみた。
ヒナタイノコズチ
ヒナタイノコズチそのものは分かるが、「どんな花をしているか」と問われると、そこまでは分からない。今頃は花が咲いているはずである。果実になると、衣服につくので、分かるが、「何処が花か」注意して見たことはない。
紐状の穂があり、その周りにかぎ状になった小花がついている。小花と云っても花には見えない。みんな果実のように見える。よく見ると、ほとんどがかぎ状になっているが先端のところはちょっと違っている。ひょっとしたらここに小花があるのかもしれない。そう思って、写真を撮ってみた。すると、雄しべのようなものが見えてきた。「間違いないようだ。」図鑑で調べると、細長い舟形のものが星形に並んでいる。そして、その中にちゃんと雄しべ、雌しべがある。ルーペで確認して、その位置を接写で撮ってみた。何枚かを見ると、「なるほど」と思えるものが見つかった。やはりここに小花があると分かった。小花が確認できると、さらに見たくものである。
紐状の穂
観察メモ
茎 ・断面は四角形、節付近は赤味を帯びる。表面には毛がぎっしりついている。枝が互 生 して出る
・茎の平面は窪んでいるように見える。毛は角に集中している
葉 ・対生、長さ7cm、幅4.5cm、表裏に長い伏せ毛がある
花 ・花軸にかぎ状な小花がつく。
小花 ・直径8mm、花弁3mm、花弁の先は尖る、雌しべ1本、雌しべの根元は膨らんでい る、雄しべ5本、外側に赤味を帯びた苞がある、長さは2.5mm
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断面は四角形
節付近は赤味を帯びる
表裏に長い伏せ毛がある
小花 赤味を帯びた苞がある
考察
花は穂(花軸)の下の方から上へと咲くようだ。穂(花軸)が伸びたものを見ると、下の方には花はない。先の方を見なければ、花は見つからない。しかし、下の枝でも穂(花軸)が出始めると、短くとも花は咲いている。花と果実の違いは、よく見ないと分からない。ヒナタイノコズチについての特徴は何とか掴むことが出来た。
記 平成26年10月11日(土)