公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

アオギリの雄花と雌花

73日(水)
 
 このところいろいろなところへ行き。ムラサキシキブコムラサキについて調べてきた。今までムラサキシキブの開花は見たが、コムラサキについてはまだ見ていなかった。神奈川公園にはコムラサキがある。もしかしたら花が咲いているだろうと思い、いろいろなものを見ながら寄ってみた。
 小さい花だが確かに咲いている。花びらの長さをおよそに測ってみると、1mmぐらいである。ムラサキシキブ2mmぐらいだった。別々に見る区別するのは難しい。
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 ムラサキシキブとの大きな違いは、花枝のつく位置にある。コムラサキは葉腋からやや離れたところから出ている。先日この点は確認したが、再度確認した。やはり間違いなくそのようになっている。
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コムラサキの花枝のつく位置 
 
 ムラサキシキブは大柄だが、コムラサキは一回りも二回りも小さい。枝を見ても違いが分かってきた。コムラサキは斜めに延びていて、垂れ下がらない。1つのことが分かってくると、いろいろなことが分かってくる。この仲間にはヤブムラサキというものがあるというので、こちらの方も調べたくなってきた。
  
 この日は、コムラサキを確認に来たが、思いがけない発見があった。帰ろうと出口へ来たとき、そう、ここにはクロガネモチの樹がある。「様子を見よう」と近づいたが、何の変哲もなかった。期待が外れて、戻ろうとして、「トチノキの伐採されたところでも見ておこう」と探したが、ももう分からなくなっていた。一歩下がり、多分あの変にあった。「ヒマラヤスギの脇だと思ったが・・・」と上空を見ていると、「アオギリの梢に何かがある」ことを見つけた。「花に間違いない」そう思った。いままで、アオギリの花を期待して見に来たことはない。見る時は、何時も枯れていて、しっかり見ることが出来なかった。樹の上に見るのは偶然である。高いところなので、詳細は分からない。早速望遠を使い撮影をした。花であることは間違いなかった。蕾もけっこうついている。
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花をつけたアオギリ 
 
 昨年は、この樹の下へ来たとき、花がぽろぽろと落ちていた。風が吹くと雪のようだったことを覚えている。花の詳細を見るために、地面に落ちている花を探した。
 花びらのように見えるものは萼であるという。外側に反った5枚の萼が見え、内側はオレンジ色になっていて、雌しべが長く突き出ている。雄しべを探したが、なかなか見つからない。
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雄花
 
 そこで調べてみた。インターネットでは雌雄異株と出ているものがあった。すると、見ているものは、雌花になる。しかし、果実を形成しないで、雌花が落ちるだろうか。保育社の図鑑で調べると、同じ花序の中に雄花、雌花が混生すると書かれている。どちらが正しいのか迷ってしまった。
 もう一度、樹についている花を見直すと、雌花らしきものが見える。拡大してみると、雌花であることがわかる。保育社の図鑑が正しかった。落ちる花は雄花で、樹に残っているのが雌花である事実が分かった。
 雌花を見ると、萼の内側は黄色になっている。そして、雌しべの根元に退化した雄しべがかたまっていることも分かる。
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雌花
 
考察
 コムラサキの確認へ行ったところが、思わぬ発見が出来た。アオギリの花を見たとき、いままで雄花、雌花を区別して見ていなかった。雄花を見たとき、「中心から突き出ているものを雌しべと考えて、これがアオギリの花と思っていた」大きな誤りを訂正することが出来た。
 
撮影:7月1日
 
 
    記  平成26年7月3日(水)