公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

モミジバフウの雄花

611日(水)
 
 毎年注意していたが、モミジバフウの雄花を見る機会を逸してしまった。気がつくと、果実が吊り下がっている。毎年同じことを繰り返してしまう。もう見られないのだろうか。花が散ったとしても、もしかしたらと一途の望みを託して、岸根公園モミジバフウを見に出かけた。
 
 公園には斜面に沿って何本かのモミジバフウがある。枝が下の方まで下がっている樹を1本ずつ見た。「雄花は雌花の集合花の上につく」という手がかりをもとに探した。すると、そのように思える位置に何か引っかかっているものがあった。「近くの大きな樹から落ちてきたものか」と疑ってみた。しかし、近くにそれを落とすような樹はない。同じようなところが何箇所か見られることから考えて、「風に飛ばされてきた」と考えるのも不自然である。「ひょっとしたら、これが雄花であるかもしれない」そんな気がしてきた。
イメージ 1イメージ 2
雌花の集合花上に引っかかったもの
 
 引っかかった状態を何枚か撮影した。撮影後、手に取り再度撮影してみた。拡大してみると、花粉を放出した葯がお椀のように写っていた。この葯の塊を見て、これがモミジバフウの雄花であると確信した。資料で確かめてみたが、間違いないようだ。
イメージ 3
引っかかったものの拡大
 
イメージ 4イメージ 5
花粉を放出した葯
 
 「今年はもうだめか」と諦めていたものだが、不十分ながら、モミジバフウの雄花を捉えられてひと満足できた。一安心したので、葉について観察した。
 葉は掌状で大きい。大まかに計測してみると、巾19cm、長さ15cmで横へ広がっている。5つに割れていて、それぞれの中肋が目に付く。基の部分は緩やかにへこんでいる。表面は明るい緑色で、艶がある。裏面はうすい緑で、艶はなく、毛などもないようだ。割れ込んだ葉の縁には浅く荒い鋸歯が見られる。 イメージ 6 
イメージ 7             葉:表面                          葉:裏面
 
考察
 モミジバフウの花は「高いところにある」印象が強く、深く調べようとしていなかった。思いつき半分だったが、諦めず出かけたのが功をもたらしてくれた。よく見れば、手の届きそうなところにも咲くことを知ることが出来た。花が咲くチャンスを逃さないことが大きなポイントであることも教えられた。
 
撮影:6月9日
 
 
  記  平成26年6月11日(水)