公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

スズカケノキの仲間について

6月9日(月)
  
 スズカケノキ仲間の花は何時咲くかと見ていると、知らないうちに球状の果実が下がっている。花期は通り過ぎたことになる。新葉が出るころに花が咲くということたが、中々捉えることが出来ない。そこで、この仲間について調べることにした。 
 
 スズカケノキ仲間にはスズカケノキ、モミジバスズカケノキアメリスズカケノキの3種類があるという。この3種類をどのような観点で見分けているか、検索表を見ることにした。いつも見ている保育社の樹木図鑑、杉本順一著「新日本樹木総検索誌」を参考にした。
 
 
保育社の樹木図鑑
スズカケ属
 1.集合果は総状に2つ以上つき、葉は通常深く中裂する。 スズカケノキ
 1.集合果は1―2、まれに3以上
   2.集合果は1―2、まれに3以上、葉は中裂 モミジバスズカケノキ
   2.集合果は1、葉は浅裂  アメリスズカケノキ
杉本順一著「新日本樹木総検索誌」
 A1.花序の毬は3-7あり、葉は5-7浅裂する。基は広楔形または截形・・・ スズカケノキ
 A2.花序の毬は13あり、葉は35浅裂する。基は截形または心形
   B1.花序の毬は1(稀に2)個…果実の先は無嘴  アメリカスズカケ
   B1.花序の毬は2(稀に3)個…果実の先は有嘴  モミジバスズカケ
 
 最初、どちらも集合果(花序の毬)の数で検索していることが分かる。集合果(花序の毬)は高いところにあるので、数えにくい。望遠写真でみていくと、2つがついている花枝は確認できるが、ほとんどが1つで、3つ以上のものは見つからない。試料だけで判断すると、スズカケノキが消え、残りの2つに絞られる。アメリスズカケノキは集合果(花序の毬)の数が稀に2個というから、これも該当しない可能性が高くなる。
イメージ 1
集合果(花序の毬)は2個
 
イメージ 2
集合果(花序の毬)は2個
 
 葉の切れ込み具合を見てみる。アメリスズカケノキは浅いということなどで、該当しない。スズカケノキとモミジバスズカケノキに絞られる。この2つを検索することが大きな課題となる。
 集合果(花序の毬)の数が確認できないので、これ以外のものを検索の観点にしなければならない。葉の基の形を調べていくと
 
 「http://www6.ocn.ne.jp/~yoinaegi/suzukake.htm」さんのページにに写真が掲載されていた。
 
 いろいろな資料に当たったが、これが見つけた唯一のものだった。図から判断すると、
    基が平ら…スズカケノキ   基が浅い心形・・・モミジバスズカケノキ
 となっているようだ。
イメージ 3
 基が平ら
 
 試料は、平らになっている。幹の肌についても調べてみたが、2つは似ているようだ。日本には、スズカケノキは少なく、多くはモミジバスズカケノキという資料もある。確信は持てないが、スズカケノキの可能性が高くなってきたようだ。
 
考察
 集合果(花序の毬)の数と葉の形を観点として、スズカケノキの仲間を検索できる見通しが立ったような気がする。しかし、集合果(花序の毬)の数をきちんと調べないと明確にならない。小石川植物園日比谷公園に確かなスズカゲノキがあるというので、確認したい思いである。また、スズカケノキに似ているのにモミジバフウがあるので、この比較も検討したい。
 
 撮影:6月5日
 
 
  記  平成26年6月9日(月)