公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

サンゴジュの紅葉

12月17日(火)
 
  常緑広葉樹は一般的に紅葉、落葉しないものと思われている。しかし、先日、常緑広葉樹であるサンゴジュが紅葉、落葉しているのを見た。この樹は昨年も同様に紅葉、落葉した。又、他の場所でも紅葉、落葉するサンゴジュを見ている。「何故なのだろうか」という疑問から調べてみた。
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左:紅葉していない右:紅葉している
 
 落葉とは、古くなった葉が枯れ落ちるという植物の老化現象のことで、落葉広葉樹だけでなく、常緑広葉樹でも葉は老化現象を起こす。従って、何時かは新葉と入れ替わることになっている。落葉広葉樹は、この入れ替わる時期が寒さや乾燥期を迎える時期になっている。とこらが、常緑広葉樹は、葉の寿命が長く、落葉広葉樹のように定まっていない。それぞれの樹についている葉の寿命期が来ると落葉し、新葉と入れ替わることになる。
 サンゴジュ中の中に紅葉するものとしないものとがあったことは、それぞれの葉の寿命の相違に由るらしい。いま紅葉しなかったサンゴジュがどうなっていくか観察を続けたいと思う。
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11月のときの紅葉
 
 日射が少なくなり、寒くなってくると、各植物の生活力が衰えてくる。そのため、最小限の水や養分で命をつなごうとする。葉を落とせば、その分の負担が軽減され、個体の生命を維持しやすくなる。葉の老化現象や最小限のエネルギーで命をつなぐために、紅葉や落葉という現象が起こるものと思われる。
 林などに入ると、マツやスギの落ち葉を見るが、何時落ちたのか分からない。メタセコイアも秋になると、褐色になり葉が落ちる。これらも考えると、紅葉、落葉の現象と同じことと思える。
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 常緑広葉樹の紅葉の例として調べてみたが、サンゴジュに触れていたものは数が少なかった。いつも参考にしている牧野植物図鑑、保育社の植物図鑑にもこのようなことは触れられていなかった。
 
 参考:朝日新聞社発行「植物の世界」
 
 
  記  平成25年12月16日(月)