公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

ノコンギクの疑問

11月22日(金)
 
  シオン属のノコンギクヨメナについて調べているが、調べるたびに疑問が出てくる。「これはヨメナかなぁ」と思い調べてみると、ノコンギクになってくる。「ノコンギクの葉はざらざらする」という。確かにノコンギクと思えるものの葉を触ってみると、その感触は分かる。しかし、ざらざらした感触がないからノコンギクでないとは言い切れない気がする。この点がよく見極めることが出来ない。
 直径3cmほどの赤紫色の野菊があった。今まで見てきたのは、白色か青紫色だった。赤紫が強く印象に残った。葉を触って見ると、ざらざらした感触がない。裏も同じ感触になっている。毛がないのだろうか。毛がないとヨメナの可能性がある
 
試料1
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 葉の表面はいくらかボツボツしたものがあるようだが、明確ではない。裏も同じようだ。ただ、葉脈上には伏せ毛があるようだ。葉の縁にも細かいぼつぼつがある。大きく拡大すると、ごく短い毛のように見える。
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いくらかボツボツしたものがある     縁にも細かいぼつぼつがある  
 
 近くに白色の野菊もある。こちらは径が少し小さく、いままでノコンギクと見てきたものになる。
 
試料2
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 葉を確認した。確かにざらざらしている。表面の様子を見ると、小さなぼつぼつがたくさんある。毛があるのかと、いろいろの角度から見たけど、毛とは確認できない。折り曲げて、斜めに見ると毛と思ってみれば、そのように見えるかもしれない。毛としてみると、軟らかなものではなく。ごわごわしたものになっている。裏も同じような感じである。葉脈上に伏せ毛があるように見える。葉の縁にも細かいぼつぼつがある。大きく拡大すると、ごく短い毛のように見える。 
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 小さなぼつぼつがたくさんある 葉脈上に伏せ毛があるように見える 縁にも細かいぼつぼつがある
 
 試料1と2は別物に見える。本当に別物だろうか。シオン属を見分けるには冠毛を見ることだというので、冠毛を見た。小さく細かいので肉眼では確認が難しい。ルーペで拡大すると分かってくる。
 試料1の野菊はまず間違いなくノコンギクと思うので、赤紫色の野菊について冠毛を調べてみた。
舌状花をピンセットでつまんで見ると、冠毛がなかった。「いよいよヨメナかなぁ」と思い、管状花を見た。長い冠毛がきちんとある。これでヨメナという読みは外れたことになる。それにしても管状花に冠毛があり、舌状花に冠毛がないのがあるのだろうか。どうみてもこの結果はおかしい。
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舌状花に冠毛がない                  管状花に冠毛がある
 
 舌状花をもう一度見直した。よく見ると、舌状花の根元に薄い膜のようなものがある。「もしかしたらこれが冠毛かもしれない」と思い、針で剥がすようにしてみた。ルーペで見ると冠毛だと分かった。雌しべにぴたりと張り付いていたので、ないように見えたことが分かった。実際にピンセットで舌状花をつまんで取ると、冠毛はついてこなかった。萼とともにつまんで取り、内側からそっと剥がしていかないと、冠毛が取れてしまうことが分かった。冠毛は管状花よりは少ないが確かにあり、長いことが分かった。ヨメナと期待したものはやはりノコンギクになった。それにしても、場所によってノコンギクは随分違っている。これが事実なのだろうか。さらに詳細に調べる必要がある。
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舌状花に冠毛があった
 
 
  記  平成25年11月22日(金)