公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

ノコンギク

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 「ヨメナ」聞きやすい音であり、覚えやすい名前である。秋に薄紫色の野菊を見ると、「ヨメナ」と思っていた。しかし、図鑑で調べると、似た野菊がいろいろあることが分かってきた。もしかしたら、「ヨメナ」と思っていたのは違うかもしれない。そう思ってから、何とか区別したいと考えてきた。今年も、この課題を考える時期が来た。 
 身近にこの花を見ることが出来るところは3箇所ある。時々見て回っているが、今年始めて見たのは918日だった。最初見たとき、色が白いので迷った。図鑑を見て、違うとは分かっていても「ヨメナ」を引いて読んだ。
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  ヨメナ、カントウヨメナの冠毛は短い(ヨメナ0.5mm、ユウガギク:1/3mm:松江の植物)とある。試料はこの数値をはるかに上回っている。すると、ヨメナ、カントウヨメナ、ユウガギクでないことになる。
 昨年も同じ時期に同じことを考えた。自分が書いたものだが、再び読み直した。
 
牧野植物図鑑では、「各地の耕作地帯の多少湿気のあるところに普通に見られる」とある。
ところが、よく参考にさせてもらっている松江の植物(http://matsue-hana.com/hana/yomena.html)では「中部地方以西のあぜ道などの湿った場所に生える」とある。
また、カントウヨメナというものもあり,「(http://www.geocities.jp/tama9midorijii/ptop/kagap/kantouyomena.html)では、カントウヨメナは本州の関東地方以北に分布します。これに対して「ヨメナ」は中部地方以西に分布します。」とある。
寺崎日本植物図譜では、ヨメナは本州、四国、九州の山野に生える。カントウヨメナは関東以北にある。とある。
 
 ノコンギクの葉はヨメナやカントウヨメナに似ているが、「ごわごわ、ざらざらしている」という。試料を触ってみると、やはりそのような感じがする。ただ、観察したものは、けっこう虫に食われたり、枯れ出したりしているようなので、断言は出来ないかもしれない。
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葉はごわごわ、ざらざらしている
 
 葉の表裏をよく見た。葉の縁に短い毛があるようだが、全面的には目立つほどの毛はない。拡大してみると、わずかに毛があるようには見える。
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わずかに毛がある
 花の縁を占める舌状花をみると、先端に黄色いものがついているものが見える。これは雌しべなのだろうか。これが雌しべだとすると、雄しべは見えない。下の果実の上からは、たくさんの長い冠毛が出ている。この冠毛の長さがノコンギクの決め手になっている。
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冠毛が長い
 
 同じように中央の黄色の部分を占める管状花を見ると、やはり果実からは長い冠毛が出ている。
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やはり冠毛が長い
 
 何とか、ノコンギクは分かるようになったが、最初に見たのは花びらが白く、後に見たのは薄く色がついている。この辺がまだ疑問に残っている。
 
 
  平成251018()