公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

岸根公園 キンモクセイが咲く

1011日(金)
 
 1010日は、東京オリンピックが行われた日で、一昔前までは体育の日と定められていた。いまはいつが体育の日かも意識しなくなってしまった。予想した日だけあって、天候はよくなった。この秋晴れの日に、久しくしていた岸根公園へ出かけた。
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 近くでキンモクセイが咲き出したので、岸根公園ではどうなっているか興味があった。野球場の周りに何本かのキンモクセイが植えられている。地下鉄の駅から池を通り、階段の上へ出ると、もう甘い香りが漂ってきた。発生源はキンモクセイであることは明らかである。まわりに何本もあるのでどの樹からかは特定できない。近くのキンモクセイの樹へ寄って見ると、既に多くのものが散っている。「ああ、もう少し早ければよかったか」と思った。しかし、花自体はよく見ることが出来る。
 イヌマキやヒノキに囲まれた樹林の中に1本のキンモクセイがある。この樹はどうなっているか見ると、花が多くついている。花の中には蜘蛛の糸に引っかかり、釣り下がっているものがあった。面白そうな構図をしているので写真に撮った。
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樹林の中のキンモクセイ
 
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空中にぶる下がったキンモクセイの花
 
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 ここへくると、中心に見るのは樹木になる。いまは実りの秋で、それぞれの樹木は果実をつけている。スダジイマテバシイをはじめ果実がどうなっているか観察した。
 マテバシイはほとんど落下しており、樹木に残っているのは次の世代の果実になっていた。スダジイも大分落下しているが、まだ残されている。
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新しい世代のマテバシイの果実
 
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樹に残っているスダジイの果実
 
 興味があったのは、シラカシとアラカシの果実である。実はアラカシの果実はいままでよく見ていなかった。そのため、この2本の樹が並んで果実をつけていたのを見て、「どっちがどっち」と目を疑った。いままで、2本ともシラカシと思っていた。いま果実を見ると、違いが現れている。大きさに違いがある。「どうしてなのか」と考えた。そこで、樹木全体を見直した。すると、違いが出てきた。今まで同じと思っていたが、葉が違っている。一方は細長いが、他方は幾分巾にふくらみがある。色は前者の方が幾分濃いようだ。後半の部分については気がついていたが、それ以上追求しなかった。いま、「アラカシ」の名前が浮かんできた。いままでこの樹を見たとき「アラカシ」の名前がどうして出てこなかったのか、観察力のなさに気がついた。葉が細く、色が濃い方がシラカシになり、他方がアラカシになる。
そこで果実を比べ直した。
 アラカシ 長さ:1.7cm 巾:1.5cm
 シラカシ 長さ:1.7cm 巾:1.1cm
 アラカシの方がひとまわり大きい。アラカシの方が球状に近く、シラカシは細長い。殻斗に包まれている部分を見ると、アラカシの方が中にしっかり納まっているが、シラカシは浅く、落ちやすくなっている。
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アラカシの果実
 
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シラカシの果実 
 
 場所を変えウバメガシの果実を見た。岸根公園のひょうたん広場の周りの一角にたくさんのウバメガシがある。その中で果実が見えるものを選んで観察した。アラカシ、シラカシと比較すると、幾分小さいように見える。そこで長さ、巾を測ってみた。すると、それほど大きな開きがない。並べて見ると、シラカシより大きく見える。巾が一番広いところは、ウバメガシは殻斗に包まれている部分であるのに対し、アラカシやシラカシは果実の上のほうが広くなっている。
 ウバメガシ 長さ:1.8cm 巾:1cm
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ウバメガシの果実
 
 
  記  平成251010日(木)