この植物はヌカボになるか
9月23日(月)
メヒシバの勢いが劣えつつある。そんな中に、メヒシバの背丈を一回り高くしたようなものが現れてきた。毎年見ているが、いまだに名前が分からない。インターネット、植物図鑑を繰り返し見ているが、答えに到達できない。
試料
この植物の名前は?
最初、イチゴツナギの一種かと見えたが、近づいて見ると違っている。イチゴツナギの小穂には小花が数個ついている。ところが、これは短い柄の先に1個ずつついている。明らかにイチゴツナギの仲間とは違う。ヌカボやキビに似ていそうなので、こちらを当たって見た。ヌカボモもキビも、小穂は1つの小花からなるという。これに該当する。
小花は短い柄の先に1個ずつついている
http://matsue-hana.com/hana/nukabo.htmlで写真を確認すると、よく似ている。
キビについてみると、キビそのものは昔食糧にしていたもので、明らかに違う。そこで、ヌカキビがあるというので、こちらに当たった。こちらも小穂は小花1つからなる。こちらの花期は8-10月、ヌカボの花期は5-6月。すると、ヌカキビが候補に上がってくる。
ヌカキビについて詳細を調べると
(保育社図鑑)
葉の幅4-15mm、小穂の長さは2-2.5mm・・・・花序はまばら→ヌカキビ
葉の幅は2.5cm以上・・・ → オオクサキビ
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この草の葉の幅は10mm。この2件を読むと、キビの仲間としては厳しくなる。
ヌカボはどうなのだろうか、詳細を調べて見る。
(保育社図鑑)
コヌカグサ属
小穂に芒がない。
コヌカグサ
高さ40-90cm、葉の長さ10-20cm。幅4mm、葉舌4-5mm
ヌカボ
高さ40-80cm、葉の長さ10-15cm、幅2-5mm、鞘とともにざらつく
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「小穂に芒がない」は該当するが、以下はルーペぐらいではほとんど分別が出来ない。小花の中を見ようとしたが、その存在すらよく分からない。コヌカグサ、ヌカボ、どうもこの中のいずれかになりそうに思える。
牧野植物図鑑、寺崎植物図譜だと、コヌカグサには葉の縁に細かい鋸歯があると書かれている。ヌカボについてはこの点の記述はない。保育社の図鑑とは違っているようだ。
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すると、ヌカボが浮き上がってくる。しかし、ヌカボとすると、花期が5-6、8月、葉の長さが10-15cmであることが疑問となる。
試料の葉の長さは30cm以上。
葉舌は切形。葉鞘は平滑・無毛となっている。
試料も同じようになっている。
以上から考えると、試料はヌカボの公算が強くなる。果たして正しいだろうか。
記 平成25年9月22日(日)