公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

カラスムギを調べる

422日(月)
 
 今日も雨、このところ変な天気が続いている。
カラスムギは牧野植物図鑑等によると初夏に咲くとあるが、比較的前から咲いているようだ。余りにも早くから咲くので、これが本当にカラムギなのか疑問を抱いていた。そこで、少し検討してみた。
 
試料
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観察メモ
 
背丈: 65cm
節に毛がある
葉: 長さ23cm  巾1cm 葉の基部の内側に毛がある。 鞘舌:3-4mm 先は平らだが細かい切   れ込みがある
花序: 長さ 21cm  
小穂:
包穎: 2.5cm
護穎: 1.2cm 長毛がある 背面の中央付近に芒がつく
     3個の小花のうち下の2つに長い芒がある 一番上は短い
     芒の下のほうは暗褐色 1.2cm、その上は緑色 2cm、時間がたつと、ここで曲がる
     小花の基に長毛がある

 
 保育社植物図鑑の検索表に従って調べる。
 
カラスムギ族
1.花は皆同型、小穂は2個以上の登実小花を持つ
 
イメージ 5イメージ 6
 
 試料は3個の小花があるので。ここに該当
 
2.護穎は背面円く明らかな竜骨を見ない
 護穎とはどこを指しているのか分からなかったので調べてみる
 イネ科の花のつくりを見ると
    外側から
    苞穎 → 護穎 → 内穎 → 小花 となっている。
 
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 苞穎、護穎の背中の写真を撮ってみると、どちらにも竜骨らしきものは見られない。
 
3.小穂の長さは1cmより大、芒は穎の中央より上から出る
イメージ 2
 
 小穂は25cm 芒はほぼ中央から出ている。
 
4.小穂は中-小、上を向く…
4.小穂は大、塾時下向く、苞穎は7脈以上 → カラスムギ属
 
 何とか検索していくと、カラスムギ属へ到達する。
 
カラスムギ属 
1.小花には2個の芒がある。小花は3個 → カラスムギ
1.小穂は普通1個の芒がある。小花は2個 → マカラスムギ
 
 試料はカラスムギになる 
 

杉本さんは
カラスムギ属をさらに詳細に分けている
護穎は背に毛がある →チャヒキ
護穎は背に毛がない →コカラスムギ

 
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 試料の護穎は背に毛があるので、チャヒキになる
いろいろまごつくことがあったが、カラスムギへ到着できた。
 
 確認するために、杉本さんの検索誌を見ると、「カラスムギ」の名前がない。これはどうなっているのだろうかと思った。でも、それらしきものを見つけて検索してみると、マカラスムギの下にチャヒキがあり、②のチャヒキを見ると、チャヒキ(カラスムギ)とある。小穂に23の小花があり、2小花に長芒があり、護穎の背中に毛があると説明されている。「カラスムギが一般にチャヒキと呼ばれるという」このことを考えると、杉本さんのチャヒキがカラスムギになっていると思える。1点違っているのは、試料には3つの小花があり、3つとも芒がある。
 
 
記  平成25421日(日)