公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

イチゴツナギかナガハグサか

419日(金)
 
  サクラの季節が去り、春の陽気というよりもすでに初夏の気候が現れてきたようだ。この季節になると、野原や空き地にイネ科の植物が勢いを増してくる。艶のある細い葉が株をなしていたかと思ったら、花茎を伸ばし花をつけてきた。イヌムギ、ネズミムギはその先駆者である。イチゴツナギの仲間も続いている。このイチゴツナギの仲間にはスズメのカタビラ、ナガハグサ、オオイチゴツナギ…といろいろある。この時期になると「毎年、このイチゴつなぎの仲間分けができたらなぁ」と思う。
 いつも保育社の図鑑の検索表を手がかりにしているが、このような検索表は他にないものかと、探してみた。
きめ細かに記載されているので1度使ってみることにした。
初心者対象の着眼点が紹介されている。
 
試料
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着眼点A
 多くは小花基盤に綴毛(てつもう)ある
 
 綴毛(てつもう)は細かい部分なので分かりにくい。試料では不明に見える。最初からつまずいてしまった。
 
着目点B
 「葉先がボート状」とは
 
 葉先はボート状のように見受けられる。
イチゴツナギ、ミゾイチゴツナギではなく、スズメノカタビラ、オオイチゴツナギ、ナガハグサの可能性が出てくる。
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 葉先はボート状に見える
 
着目点C
 外見での各種の特徴を見極める。(止め葉の状態にも着目する)
 
 試料は株をなしている。止め葉は花茎に沿って上を向いている。長さは10cmにも満たない。巾も基が3mmぐらいである。
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 止め葉は花茎に沿って上を向いている
 
着目点D
 それぞれの種特有な、葉舌の形状を把握する
 
葉舌の先は平らで、長さは23mm程度である。
短い点からはナガハグサに近い。
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葉舌の先は平ら
 
考察
 資料にはイチゴツナギの仲間として「 オオイチゴツナギ、ミゾイチゴツナギ、ナガハグサ、オオスズメノカタビラ、イチゴツナギ、スズメノカタビラ 」が提示されている。
 観察結果をもとに検索してみると、どれにも該当しそうもない。仕方なく、消去法で識別してみると
ナガハグサが一番近いようになる。
 ただ1点ナガハグサは「根茎が長く這うため単立し」とあるところが腑に落ちない。イチゴツナギと思っていたのだが、ナガハグサかチゴツナギというと、ナガハグサの方に分があると思うが、さらに検討を要するようだ。
 
記  平成25419日(金)