この花はイチハツなのだろうか
4月12日(金)
保育社の植物図鑑には、アヤメ属の検索表が掲載されている。
アヤメ属
1. 葉は常緑で、…
1. 葉は冬枯れ、…
2.全体小型繊細で高さ30cm以下…
2.全体大型で高さ40cm以上…
3.葉の中肋は目立たない
4.花茎は上部多く枝を出す…ヒオウギアヤメ
4.花茎は分枝しない。…
5.葉は広く、巾1-3cm…カキツバタ
5.葉は細く巾5-10mm…アヤメ
|
この検索表に従って検索していくと、ハナショウブと思ったものはヒオウギアヤメになる。しかし、ヒオウギアヤメの説明を見ると、葉の巾が1-2cmとなっている。実物はもっと巾が広いので、ヒオウギアヤメには該当しなくなってしまう。
葉の巾は1-2cmよりずっと広い 中肋は不明
視点を変え、インターネットで調べてみた。
http://www.uchiyama.info/hana/hana/hana1/syoubu/ では、生育地で見分ける説明がされている。
花菖蒲の欄を見ると、水辺に生えることでアヤメと区別でき、葉に中脈と呼ばれる筋が通っていることでカキツバタと区別できる。
|
ノハナショウブがハナショウブの原種と考えると、ノハナショウブの葉の中肋は太く目立ち(保育社の植物図鑑)、水辺に生えるということなので、ハナショウブでないことは明らかになる。花茎は分枝しているので、カキツバタ、アヤメでもなくなる。行き詰ってしまった。
花茎は分枝しているのでは?
手がかりを求めて、インターネットを開くと、
http://www15.plala.or.jp/Seiko/newpage337.htm を探し当てた。ここに「イチハツ」というものがあり、「花のところから白いもじゃもじゃが出ている」と書いてあった。この「白いもじゃもじゃ」が目にとまった。「これは何だろうか」とイチハツの写真を引いてみると。探していたものとよく似ていることが分かった。
そこで、ハナショウブと思っていたものの写真をよく見直した。写真では何かおしべの先に花粉がついており、きいろくみえる。もしかしたら、これが「白いもじゃもじゃ」かもしれない。未だ確信がないが、いまのところイチハツが一番近いような気がする。
これが「白いもじゃもじゃ」かもしれない
「イチハツ」について保育社の植物図鑑には、花は紫と書かれている。白色のイシハツはないものか調べた。
一初(イチハツ) 紫色(まれに白色あり)と書かれている。白色のものもあるらしいことが分かる。
平野神社のイチハツの中に白色の写真が掲載されている。
京都東山の知恩院に隣接する得浄明院では、「紫と白の二色のイチハツが咲きます」とある。
こうやって調べてみると、白色のイシハツは珍しそうだが、実在していることが分かってきた。
ところで、一般的な身近な公園にこのような白色のイチハツがあるのだろうか。どうも信じがたい。さらに深く調べてみようと思っている。
平成25年4月12日(金)