公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

ヒルガオとコヒルガオ

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 長いことヒルガオが咲いている。このヒルガオの仲間にはコヒルガオというものがある。ヒルガオとコヒルガオとの違いはどこにあるのだろうか。今日はここに焦点を当てて考えてみる。
 葉を見て、耳が大きく張り出ているのがコヒルガオで、張り出ていないのがヒルガオと簡単に考えていた。ところが、この耳のどの程度の張り出し方で区別するのだろうか。このへんになると大変迷ってくる。
そこで、文献を調べてみた。
 
牧野植物図鑑
 葉脚は耳形でとがる。がくの外側に卵形の包葉が2個あり、二枚貝状に相対し…花冠は…径約5cm内外
葉は…ほこ形で基部は耳形となり、左右に張り出している。がく…、外側から2個の緑色の包葉が囲んでいる。花はヒリガオより小さくて…花冠は…径約3-4cm。
寺崎植物図譜
 茎は…わずかに毛がある。葉は…ほこ形~矢じり形で基部の片側ははり出し、変異の幅が広い。苞葉は大型で基部心形…。
 葉は…基部の片側ははり出して2裂する。ヒルガオに似て…径4cm内外の…。包葉は三角状で、先端とがり、…
保育社植物図鑑
 葉身はほこ形-矢じり形…側片は小型で通常分裂しない。苞は卵形で…、基部はやや心形…
 葉は…3角状ほこ形で側片は開出して、通常2裂する。苞は…3角状卵形で鋭頭…
 
試料1                           試料2
イメージ 1イメージ 2
          葉の耳の張りは大きくない                     葉の耳の張りは大きい
 
試料1                           試料2
イメージ 3イメージ 4
            径は5.3cm                       径は4.8cm
 
試料1                           試料2
イメージ 5イメージ 6
         包は3角状                      包は卵形で先がとがっていない。
 
 以上のことから考えると、試料1ヒルガオ、試料2はコヒルガオとなる。
 
 念のために、保育社植物図鑑の検索表を見た。すると、葉の厚さと形で2グループに分けている。ヒルガオ、コヒルガオはうすく、ほこ形…に入って入る。次の観点として耳の張り出しを見ている。葉の側烈片(耳)は横に開出し…、と葉の側烈片(耳)は斜後方に開出し…とわかれ、前者にコヒルガオ、後者にヒルガオが入っている。
 ここを見て、新たな疑問が出てきた。試料2の耳の張り出し方は横でいいのだろうか。微妙である。また、2烈しているといえるだろうか。もう1点、包の形が逆になっている。
  ヒルガオが花が一回り大きく、色が濃いという点はこの写真でいえる。
 上の疑問が残るので、もしかしたら両方がコヒルガオかも知れない。さらに調べてみようと思う。
 
 
  記  平成24924()