残されていた籔
7月15日(日)
図書館へ行くついでに立町の見晴らし公園へ行ってみた。樹木が枝を伸ばし、背丈を高くし通りにくくなっていた。身をかがめ、枝を押さえながら進んだ。葉が生い茂ると、林の中のようで、薄暗くなっている。日が当たらなくなっているせいか、下草も少なくなっている。葉が生い茂る前に芽生えていたアキノノゲシだけが異様に目に付いた。
サクラの樹の木陰にヤブニッケイらしき樹があった。3本の葉脈がいやに目立った。最初見たときは、「あれ、アオキか」と思った。でも、なんだか変な感じがする。アオキには鋸歯があった。この樹の葉には鋸歯がない。さらによく見ると、少し幅が狭いではないか。「アオキではない」そう思った。そして目を移すと、すぐそばに霜降りのアオキがあった。葉を確認した。比べるものが隣にあるとは思いもつかなかった。
ヤブニッケイ
奥に進むと、ツバキの果実があった。いつも思うが、どうしてこんな形の果実を作るのだろうか。花の美しさからはこの形の果実はイメージできない。皮が厚く、グロテスクな感じがする。
ツバキの果実
立町を離れ、いつも行く小学校の裏へ行った。ヒメジョオン、ヒルガオが咲いていた。白幡南町へ通じる学校からの土手にヤブカンゾウのオレンジが目に入った。けっこう咲いていそうなので、この斜面を少し見ることにした。なだらかな斜面を降りていくと、左側に藪があった。いつもはこの籔を上から見ていたので、下の方のことは分からなかった。見ると、いろいろな植物を見ることが出来た。アメリカヤマゴボウ、カナムグラ、タケニグサ、キンミズヒキなどを見ることが出来た。一昔前はどこでも見られたものだ。残念だが、このような籔はもうこの辺には残されていない。このすぐ隣では造成工事が始まっている。ここも何時まで残されているか危惧している。
大きな樹木を背景に、大きなシュロ、その下の大部分を覆っているアメリカヤマゴボウ、こんなに大きくなり、広い面積を占めているのを見たのは初めてだ。ものすごい勢いだと呆気に取られた。その下にイラクサがある。大きくなっているが、占めている面積は小さい。一番下、藪の入り口になるところはカナムグラが地面を這っている。雑木林の縁を形成するマウント群落の典型を示している。この姿は林や、雑木林を知るには貴重な現物であると思う。
タケニグサ ミズヒキ
シュロ カナムグラ
記 平成24年7月15日(日)