チガヤを見る
6月13日(水)
浦島公園では保育園児がにぎやかに遊んでいた。保育士さんの言うことには耳を傾けず、一人ひとりが思い思いに遊んでいる。転んで泣いている園児もいる。
そのような光景を見ながら、スダジイ、マテバシイの写真を撮った。何度も撮っているが、撮るたびに少しずつ変わっているように見える。スダジイ、マテバシイは前年度結実した果実が冬を越し、秋に向けて熟していくという。従って、今ここで見ている果実は昨年の今頃結実した若い果実が大きく成長していく過程にある。
今年になってスダジイ、マテバシイの花を見始めたとき、雄花はよく目にしたが、雌花が分かりにくかった。それだけでなく、「雌花が既に受精を終え、結実し始めた」と思ってしまった。後から考えると、この判断は間違っていた。スダジイ、マテバシイとも新しい花が咲くときには、既に前年度の若い小さな果実が枝についている。この小さな果実は今年出来たものではなかった。スダジイとマテバシイの花について理解を深めることができた。
サツキ、シモツケの花が終わりに近づいてきた。サツキは茶褐色に錆びたような葉が目立つようになった。シモツケもピンク色が大分あせてきている。花期の終わりになると、一気に勢いが衰えていくように見える。消えていく前のシモツケをアップして写真に撮った。
草に目をやると、うすいピンク色をした花が目に入った。特別に目新しいものではないが、新鮮に見えた。名前はムラサキツメクサという。シロツメクサよりやや大型に見える。シロツメクサは芝生地や空き地に普通に見られるが、ムラサキツメクサは少し奥まったところ、人が入らなくなるところで見る。よく見かけるものは、何か汚らしい。このようなみずみずしさは感じられない。
ハルジョオンが咲いていた。しかも、たくさんかたまって咲いている。もう既に花期は過ぎ、見られても弱弱しいものと思っていたが、目にするものには元気がある。「皆で咲くと怖くない」そんな感じがする。歩いているうちに別の場所にヒメジョオンがあったので、比較してみた。
花だけを見るとよく似ている。白色のものを見ていたのでは区別は難しい。いくつかの花を見ると、ハルジョオンの中にはピンク色がかったものがたいていある。葉の茎へのつき方をしらべると、違いがはっきりする。ハルジョオンは確かに茎を抱いている。
久しぶりに、アレチノギクとヒメムカシヨモギの違いも簡単に見た。アレチノギクは全体が灰白色、メムカシヨモギは緑色と若干全体の色が違っている。茎の毛を見るとアレチノギクは寝ているのに対して、ヒメムカシヨモギの毛は開出している。
アレチノギク ヒメムカシヨモギ
公園を出たところの道端に昨年チチコヅサが見つかったが。今年はまだ見ることが出来ない。保育園の脇の草むら、ここもよく見る観察場所になっている。今日は白いものを見つけた。風でなびいている。「チガヤ」であると分かる。早速写真に収めた。綿毛に見えるのは果実の冠毛である。風に乗っていけるようにうまいつくりをしていることが分かる。
チガヤ
記 平成24年6月13日(水)