公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

円教寺「摩尼殿の案内板、千年杉、スミレモとマメヅタ、大講堂、常行堂、タカオモミジ、トウカエデ」

1118日(日)
 
 円教寺摩尼殿の案内板によると、「天禄元年(970年)創建とされ、桜の霊木に天人が礼拝するのを見た性空上人が、その生木に如意輪観音像を刻み、これを本尊とする堂を築いたのが始まり」と書かれていた。その時の桜の霊木となると、当時はソメイヨシノがないので、ヤマザクラと考えられる。そのヤマザクラはこの書写山のどこにあるのだろうか、調べてみたが、その存在を示す資料は見つからなかった。ロープウェイの山頂駅付近にサクラがある資料があったが、花を見ると、ソメイヨシノのようだ。昔の話だから、真実は分からない。
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円教寺摩尼殿の案内板
 
 境内に大きな杉の樹があった。通称「千年杉」と呼ばれ、樹齢が700800年、樹高湯35ⅿ、幹回り葯7.6mとあった。上の方は3本に分かれ、そのうち2本は枯れているように見えた。
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 千年杉

 陸に生える藻、スミレモの表示があった。「アオノリと同じ仲間で、スミレの匂いがすることに由来する」との説明が書かれていた。どれがスミレモになるか、説明を読んだだけでは分からなかったが、陸に生える藻ということから判断して見ると、下の方ある苔のようなものであることが分かってきた。特に目立つ程のものではなかったが、陸に生える藻として珍しいようだ。最初、ここを見た時、このスミレモより、円形をしたマメツダが目立ち、そちらへ目が行った。これはどこかで見た覚えがあったが、どこで見たかは思い出せなかった。過去の資料を調べて行くと、宇和島城へ上って行く途中の崖で見ていたことが分かった。
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スミレモとマメヅタ
 
 円教寺摩尼殿から三つの堂へ向かった。三つの堂とは大講堂・食堂(じきどう)・常行堂が一堂に会した建物であった。下記の資料によると、「大講堂は、お経の講義が行われる学問と修行の場、食堂(じきどう)は修行僧の寝食のための建物、常行堂は常行三昧(ひたすら阿弥陀仏の名を唱えながら本尊を回る修行)をするための道場」とのことだった。この山奥で、修行僧たちはどんな生活をしていたのか、想像してみたくなる。学問や修行のことより、それ以前の食べ物や水はどの様に調達していたのであろうか。自給自足の畑などもなく、謎である。
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大講堂

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 この奥にまでいくつかのお堂があるようだったが、時間の関係もあり、ここから引き返すことにした。途中、道の角に「タカオモミジ」と表示された樹があった。緑の葉が茂っているが、下の幹には苔が沢山生えていた。タカオモミジとはどんな樹か、牧野新日本植物図鑑で調べると、「本州、四国、九州の山地に普通見られるが、人家にも栽培する落葉高木」とあった。「タカオ」の名前が付くから特別なモミジと思ったが、そうでもないようだった。カエデやモミジも種類がいろいろあるので、注意して見ていく気になった。
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タカオモミジ
 
 再び、モミジバフウの紅葉広場へ戻って来た。太陽の日差しが変わって来たので、先程とは別方向のモミジバフウを撮影した。モミジバフウの葉は、書寫山を象徴するように、青空に紅く染まっていた。
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撮影:1030

  記  平成301115日(木)