丸亀城「天守閣の高台からの景色、天守閣、アキニレ、オオユウガギク、ジュウガツザクラ」
11月9日(金)
天守閣のある高台へ来ると、高いところだけあって、ここからは見上げるものがなく、すべてのものを見下ろすだけである。下界にはぎっしりと海まで建物が建ち並んでいる。昔は緑が広がり、家などは隠れるぐらいしかなかったことと思われる。高浜虚子がここへ上り、句を詠んだ時分は、恐らくそのような光景であり、収穫した稲が筵のように一面に続き、その延長に讃岐富士がどっしりと構えていたのではと想像してみた。
天守閣の高台からの景色
天守閣
この高台にケヤキに似た大きな樹木が4本あった。普通こういうところに見られる大きな樹はケヤキやクスノキだが、外見が少し違っていたので、近寄ってみた。すると、樹皮の剥げ方がケヤキとは違い、斑に剥げ、剥げた跡は明るい褐色であった。この様子を見て、この樹はアキニレではないかと思った。
アキニレ
アキニレの葉
丸亀城の花について、何か資料がないかと見つけていると、下記の4つが見つかり、資料1では、ノコンギク、ノジギク、資料2では、ヨメナ、資料3ではヨメナ、シロヨメナ、資料4では、オオユウガギクがそれぞれ紹介されていた。
この写真の花はこの5種類のうちのどれかになるだろうと考えを進めてた。冠毛を見ようと、花を摘まんで採ると、子房の部分が取れてしまい、冠毛の存在が確認できなかった。これと同じ経験を、以前ユウガギクで経験している。この経験から考えると、この花には冠毛がほとんどないと予測できる。すると、ノコンギク、シロヨメナではなくなる。ノジギクは葉の形が違うので、これも除かれる。すると、ヨメナかオオユウガギクになってくる。この花の直径を測ると、4cmと大きかった。ヨメナはこれほど大きくない。すると、オオユウガギクに絞られる。オオユウガギクについて調べると、牧野新日本植物図鑑では、「愛知県以西の本州、四国、九州・・・・に分布し」とある。更に、「ヨメナは3行がいちじるしいのに比較して、3行が不明・・・欠刻状にまばらな鋸歯がある・・・」と記述されている。すると、オオユウガギクの可能性が出て来た。冠毛についてもっと正確な写真が撮れていればと悔いた。
オオユウガギク
オオユウガギクの花
オオユウガギクの舌状花と筒状花
オオユウガギクの花と葉(3脈が明瞭でない)
もっとオオユウガギクの写真を撮りたかったが、次へ移動した。一段下がったところにサクラが咲いていた。今頃咲いているのは、恐らくジュウガツザクラではないかと思った。花を見ると、八重の花で、やはりジュウガツザクラであった。今年は福島県で春にジュウガツザクラを見て来たが、まさかここで見ることが出来るとは思わなかった。暫く、ジュウガツザクラの美しさに足が止まった。ジュウガツザクラは春と秋の2度開花する。
撮影:10月29日
記 平成30年11月7日(水)