公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

四季の森公園「冬芽(マユミ、ヤシャブシ、ムクノキ、キブシ、クリ)」

1031日(水)
 
 この細い湿原沿いには藪からいろいろな樹木が枝を伸ばしているので、春夏は花を、これからは冬芽を見ることが出来る。
 ヤシャブシの樹を取り囲むようにマユミの樹があり、冬芽が見える。マユミの葉は対生しており、その葉腋に1つずつ冬芽が出来ている。小さいので、ほぼ球形のように見え、芽鱗に包まれているところも分かる。
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マユミの冬芽
 
 園道の上にヤシャブシの樹が斜めに伸びてきている。この樹を始めてみた時はヤシャブシとは気づかず、変わったハンノキがあると思った。しかし、ハンノキの幹は直立していることを知っていたので、これはハンノキではなさそうだと分かって来た。そのうち、冬芽の時のハンノキの雄花花序は下を向いているのに、この樹の雄花花序は何時見ても上を向いていることに気が付いた。やはり、この樹はハンノキとは違いヤシャブシになった。下の方の枝を見ると、雄花花序の冬芽が見える。短い円柱状に見える。雄花花序の下に見える冬芽は葉芽で、雌花花序はまだ表れていないようだ。
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ヤシャブシの冬芽(雄花花序U)  
 
 この黄葉を始めた樹は何の樹になるだろうか。黄色くなり始めた葉から判断すると、イヌシデのイメージがある。しかし、よく見ると、葉の縁の鋸歯が違うようだ。イヌシデの鋸歯は鋭く細かい重鋸歯になっている。冬芽を見ると、芽鱗に毛が沢山あるので、イヌシデと違うことがはっきりしてきた。すると何になるだろうか。再び考え直すと、ムクノキを思い出した。ムクノキの冬芽には毛があり、鋸歯は鋭く、側脈は鋸歯の先端へ達している。この葉の縁は枯れているが、拡大すると、確かに、側脈は鋸歯の先端へ達している。従って、この樹はムクノキなるようだ。
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ムクノキの葉

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ムクノキの冬芽
 
 ここからはキブシの樹が連続している。キブシは雌雄が別株というので、花が開花したとき、見分けようとしたが、なかなか見分けることが難しかった。そのうち、果実が出来始め、雄花と思った株にも果実が出来始めて来た。後日、前に撮影した写真を見直し、「この花が雌花だったのか」と改めて見直したことが思い出される。それから早いもので、冬芽を見る時期に入った。冬芽を見ると、大分大きくなっているのに驚いた。一番外側の芽鱗は紫色を帯びているが、先の方はきれいな薄い黄緑色をしている。
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キブシの冬芽
 
 芦原湿原の先端付近へ来ると、ここにクリの樹がある。このクリの樹は、最初見た時、クリの樹か、クヌギの樹か迷ったが、「クリの葉の鋸歯は緑色で短いのに対し、クヌギの鋸歯は白色で長い」ということからこのクリの葉を見て来たことが思い出される。冬芽を見ると、丸い球状をしている。これから日が当たったりすると、褐色から黒味がかってくる。今は冬芽の出来立てのほやほやのようだ。
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クリの冬芽
 
撮影:1020

  記  平成301025日(木)