公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

四季の森公園「自然観察会(キンミズヒキ、タイアザミ、トリカブト、ホオノキ、チカラシバ)」

1018日(木)
 
 はす池沿いに進んで行き、キンミズヒキのところで説明があった。キンミズヒキは、先ごろまで黄色い花が咲いていたが、もうほとんど花の姿なくなった。今は緑色の果実になっている。この果実を見ると、上縁に棘状のものが見えてきている。この刺状のものは、副萼片の変化したもので、これが人の服などに付き、運ばれていく。従って、キンミズヒキは付着散布の仲間に入る。もうすぐこの緑色が赤く染まってくる。その時は、「これは何だろう」と思うほど変身し、キンミズヒキとは思えなくなる。
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 次はアザミの説明があった。これからアザミが咲いてくる。このアザミは、「ナンブアザミの変種のトネアザミといい、別名タイアザミという」との説明があったが、日頃、私はタイアザミと呼んでいる。特徴は総苞片の反り方にある。果実には多数の羽毛状の冠毛があり、風によって散布される。タイアザミは風散布に入る。
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タイアザミ
 
 藪の奥にトリカブトが見える。つい先日もこのトリカブトについて説明を受けたが、そのときは未だ花が咲いていなかった(資料)。今日見ると、青紫色の花が咲き出してきた。遠くからは分かり難いが、アップして見ると、兜の形が浮かび上がってくる。下記の資料で、トリカブトは猛毒を持っていることを書いたが、同じ説明を今日も受けた。おもな毒性分はジテルペン系アルカロイドのアコニチンで、心室細動ないし心停止を引き起こし死に至らしめる。素手で触ることは禁物である。
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 はす池が尽き、広場へ出た。ここは先日までカゼクサの大群落が見られたが、今日は半分近く、刈られていた。ここではホオノキノ果実について説明があった。ホオノキの花は大きいが、果実も大きい。実物を手に取り説明してくれた。ホオノキの下を見ると、大きな葉に混じり、大きな果実が落ちていた。黒く汚くなった果実の中を見たことがなかったので、資料で調べると、下記の資料では、「中から赤い果実が出てきて、熟すと、白い糸状の珠柄でぶら下がる」と写真入りで説明されていた。更に、赤い皮を剥ぐと、「焦げ茶色の種子が出てきた」との説明もあった。今までここまで見たことがなかったので、参考になった。ホオノキは重力・自動散布になる。
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一部刈られた草原

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ホオノキ

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ホオノキの果実

 草原のチカラシバへ移動した。このところカゼクサに代わりチカラシバが目に付くようになってきた。両方の葉はよく似ているので、花が咲いてこないと2つの区別は難しい。カゼクサが一足咲いてくるが、この時、チカラシバがどこにあり、どんな状態にあるか知りたいが、チカラシバの穂が出てくるまで、それが分からない。チカラシバの小穂の基部に数本の剛毛が生えており、果実は剛毛ごと人の衣服などに付いて運ばれていく。従って、チカラシバは付着散布になる。
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撮影:1014

  記  平成301016日(火)