四季の森公園[自然観察会(ヌスビトハギ、アレチヌスビトハギ、ノダケ、クリ、ヤマユリ、ヤマアジサイ)]
10月17日(水)
蛍川橋を渡ると、ヌスビトハギがあり、先日は少しは花が見られたが、今日はもう花の姿は見られない。果実の姿を知らなんければ、どこにあるのか分からなくなってきている。果実は先日も見ている。2個の房が組になっていて、表面に曲がった毛が密生し、人の衣服につきやすくなっている。これに似たものにアレチヌスビトハギがある。こちらの果実は3個以上の房が組になっているので、ヌスビトハギとの違いが分かる。この2つは付着散布に入る。
ヌスビトハギ
ヌスビトハギの果実
アレチヌスビトハギ
アレチヌスビトハギの果実
次にノダケのところへ行った。この花はカレーの匂いがするというので、某人が出て、実際に匂いを嗅いだところ反応がなかったという。後で確認したところ、花が咲いているときは匂いがしなかったが、果実だと確かにカレーの匂いがしてきた。花弁、雄しべとも濃い紫色で、花のつくりが分かり難い。下記の資料によると、「花弁は5個。雄しべは花弁より長い」とある。調べると、雄しべの5本は分かったが、花弁の数の確認は難しく、雌しべはその存在が分からなかった。資料によると、この花には「雄性期と雌性期がある」と説明されている。どうやら雄性期の後に雌性期が来るようで、この花は雄性期のようだ。カレーの匂いがした果実の方を見ると、果実は緑色で筒状をしている。この緑色のものは残された総苞片とのことだった。これは若い果実のようで、先には2つに分かれた柱頭が見える。
ノダケ
ノダケの花
ノダケの若い果実
この土手にクリの樹がある。ここでクリの樹の果実について話があった。クリの樹には毬があり、その中に果実が入っている。ここで、「クリの果実の皮はどこですか」との発問があった。下記の資料に答えがあった。
「毬は皮、食べるところは種、固い殻の部分が果肉」とのことだった。意外と知らないことだった。クリは被食散布になる。
クリの樹
クリの果実 9/6撮影
上にヤマユリの果実が伸びてきていた。花は大きく豪華そのもので、果実も大きい。この筒状の果実の中に種子が入っている。下記の資料では、ヤマユリの種子繁殖(実生)の様子がきめ細かく書かれていた。果実の中には6列の朔があり、半円形の煎餅のような種子が朔に整然と詰められるように並んでいた。この写真には驚いた。ヤマユリなどのユリの仲間は球根で増えると頭にあったが、自然界ではこの薄い種を飛ばし、増えていることを知った。ヤマユリは風散布になる。資料によると、実生からは5年たたないと花が咲かないという。生命を継承することがいかに難しいかを知らされた。
ヤマユリの果実
次はヤマアジサイのとこへ来た。アジサイは花が終わると、剪定されるが、このヤマアジサイが訳ありか、花後剪定されていない。花の後を見ると、雌しべが2本飛び出ている姿が見に映った。これが種子になって来るのだろうか。アジサイは、普通装飾ばかりなので、種子が出来ない。ガクアジサイやヤマアジサイには、普通花があるので、種子が出来るという。アジサイは重力・自動散布になる。
ヤマアジサイの若い果実
撮影:10月14日
記 平成30年10月15日(月)