四季の森公園「キツネノマゴ、ハエドクソウの果実、センニンソウ、ユウガギク、フジカンゾウ、クズ、クサギ」
9月23日(日)
キツネノマゴが先日から沢山咲いている。そろそろ衰えが出てくるのではと思っていたが、依然として勢いがあり、あちこちで小群落をつくっている。キツネノマゴは背丈が低いと思っていたが、最近見かけるものは意外と高い。花は小さく、人目を引き付けない花だが、1つの小花をアップしてみると、巧妙なつくりをしていることが分かる。唇形花で、上唇と、下唇がある唇の形をしている。上唇は立ち上がり、先が浅く2つに裂け、下唇は前に伸び、先が3つに裂けている。下唇の奥には白色の斑紋があり、昆虫を引き寄せる誘導をしている。
キツネノマゴ
キツネノマゴの花
この辺にはハエドクソウがあったので、先ほど見た花がハエドクソウであったか、確認したかった。しかし、残念ながら花の姿はなかった。それでも花の後の果実が残っていた。果実は枝に沿い下を向き、背中の先端は濃赤褐色を帯び、3つに裂けていた。この姿はハエドクソウの萼を示している。やはり、先ほど見た花はハエドクソウで間違いないようだ。
ハエドクソウの果実
更に進むと、草むらの中に白色の花が見えてきた。花の中には散り始めたものが見られ、そろそろ花期が終わりに来ているようだ。十文字の花が目立ち、沢山の雄しべが飛び出ている姿からセンニンソウと分かる。
右側の芦原湿原の中頃へ来ると、左側に白色のノギクが現れて来た。先日、ここから先でユウガギクを見ている。花数は余り増えていない。ユウガギクを見てから日数が経ったので、もしかしたらノコンギクが現れているかもしれないと思い、冠毛を確認した。すると、舌状花、筒状花とも冠毛を見ることは出来なかった。やはり、このノギクは先日と同じユウガギクのままであった。
ユウガギク
ユウガギクの花
ユウガギク:舌状花と筒状花
左側の藪の中に、先程知ったフジカンゾウの花が見えた。先ほど見たばかりなので、印象深く残っている。葉は3出葉でなく、複葉になっている。花は大きめな唇形花になっている。群生しているわけではないが、ぽつりぽつりと見えてくるので、今最盛期を迎えているように思える。
フジカンゾウ
フジカンゾウの花序
芦原湿原へ目を向けると、大きな葉をつけたクズがヨシを覆う勢いで辺りを占有していた。クズの勢いに圧倒させながら見ていると、赤みを帯びた花が見えてきた。今年初めて見る花ではないが、カメラを向けたくなった。クズの花はマメ科の大きな花である。花の形が分かるか、望遠を使って撮影した。竜骨弁は分からないが旗弁と翼弁が分かり、蝶形花であることが分かる。
ヨシに迫るクズ
クズの花
クサギが見えた。開花した花、萎んだ花、蕾が入り混じっている。先日も思ったが、この花の形が面白い。下記の資料では、「黄白色の蕾のように見える苞葉(萼)の中から赤みがかった長い花柄を出し、その先に花が付いている。」と書いていた。ところが、このクサギは黄白色の蕾のように見える苞葉(萼)の色が違っている。こちらは黄白色でなく、赤みを帯びている。資料1によると、「初めから萼がピンクになる木もある」とあった。
資料2ではクサギの花には雄期と雌期があることを確認してきた。また、資料3では、雄期と雌期について分かり易く説明されており、「花が開いた初めの日は雄期で、翌日は雌期になる」との説明があった。自家受粉を防ぐために雄期と雌期を分けている巧みな仕組みである。
クサギの花
撮影:9月12日
記 平成30年9月20日(木)