公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

四季の森公園「イノデ、キンミズヒキ、ミズタマソウ、コバノカモメヅル」

814日(火)
 
 鱗片が目立つシダが見えた。特に柄を見ると茶褐色をした細長い紙のような鱗片が群がっている。恐らくイノデと思われるが、まだしっかりと特徴が掴めていない。このシダを見ると、イメージは先ほど見たベニシダと似ている。ベニシダは中軸や羽軸に青黒い溝があった。ところが、この試料をいると、その溝が見られない。葉身は2回羽状複葉で、小羽片の先端は針のような棘になっている。上の方の小羽片を見ると、基部の上側の小羽片は一回り大きく、さらに細裂している。胞子嚢は中肋と縁の中央に分布している。ベニシダは中肋寄りだった。
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イノデ

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青黒い溝がない

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小羽片の先端は針のような棘
基部の上側の小羽片は一回り大きく、さらに細裂している

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胞子嚢は中肋と縁の中央に分布している
 
 キンミズヒキが咲いていた。つい先日、三ツ池公園で開花を見て来たばかりだが、四季の森公園でも咲き始めのようだ。先日見たキンミズヒキと花弁数は変わらないが、花弁の縁の波と縮れはなく、雄しべや雌しべはピンと伸びている。環境によって、変るのか、成長過程が違うのか分からないが、三ツ池公園キンミズヒキとは少し違っている。
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 白色の小さな花が出てきた。このような白色の小さな花は、ウマノミツッバ、ヤブニンジンと見て来た。再び同じような花を見ると、戸惑ってしまう。しかし、ウマノミツッバ、ヤブニンジンは既に花期を終えていることを考えると、この2つではないことがはっきりする。もう1つ似たものがあった。ツルカノコソウである。この花の花期は5月である。いろいろ考えると、いずれも違っていることが分かる。
 更に、調べていくとヤブジラミとミズタマソウがあった。花の下の毛の生えたふくらみ(子房)はどちらも似ている。しかし、この二つは葉の形が違っている。ヤブジラミはセリ科の花で葉が細裂している。従って、この花はミズタマソウになる。ミズタマソウについては、下記の資料の中で、「萼は2枚で、内側が凹んでいる。花弁も2枚で、先が2つに割れている。2本雄しべと長い雌しべが1本見える」ことを確認している。この花について葉を注意して見ていなかったが、今回見ると、葉は対生で、根元の節が赤褐色であるところが目に付いた。
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ミズタマソウ

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萼と花弁ともに先が2つに割れている

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節が赤褐色を帯びている
 
 芦原池の一番奥へやってきたここにはミツバウツギとコバノカモメヅルがある。先日見た時、コバノカモメヅルはそろそろ花期を終えるのではないかと思ったが、今日見ると、残っていた蕾が開花したようで、まだ花が残っていた。下記の資料では、「コバノカモメヅルの5裂した花冠の先端は捩れ、風車の形になって見える。中心に見える小さい花のようものは副冠で,この内側に雄しべとめしべが入っている」書いていた。
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 コバノカモメヅル

撮影:810

記  平成30812日(日)