公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

四季の森公園「ヤブソテツ、ヤブミョウガ、ミゾシダ、ケブカフモトシダ」

728日(土)
 
 リョウメンシダの周りを見ると、ヤブソテツの仲間が見えた。ヤブソテツの仲間については、下記の資料が分かり易いので、試料を見ながら比べてみた。試料の側羽片は18対あるので、6種類あるものから、ヤブソテツとミヤコヤブソテツの2種類に絞られた。羽片の表面の色は緑色でやや光沢ありを選ぶと、名前がヤブソテツとなる。裏面は灰白色で、側羽片先端の辺縁には鋸歯がある。側羽片基部は切形で、小さな耳ある。特徴の大部分が一致する
イメージ 1
ヤブソテツ:側羽片が18

イメージ 2
 ヤブソテツの葉の裏面:灰白色 胞子嚢

イメージ 3
ヤブソテツ:柄の鱗片

イメージ 4
ヤブソテツの側羽片 先:鋸歯 基:切形、小さな耳
 
 ヤブソテツを見ていると、ヤブソテツは木道近くに集中しており、周りにはヤブミョウガと思われるものが広い範囲を占めていた。これはヤブミョウガと思うが、先日三ツ池公園で花を見ているのに、花や果実の形跡がないのが気になる。もっとよく見ておけばよかった。
イメージ 5

 ホシダがあるところへ戻って来た。しかし、どのシダもよく似ており、どれがホシダなのか分からなくなっていた。ホシダは頂羽片が穂状に細くなり伸びていることを手掛かりに、ホシダらしいものを見つけ、写真を撮った。写真の頂羽片を下記の資料1の写真と比べると、中軸、羽軸裏に毛が生え、葉面には毛は生えないところは似ていたが、小羽片の数が少なく、少し違うように見えてきた。更に、羽片裏の胞子嚢の形、分布を見ると、やはりどことなく違っている。資料2を見ると、「隣接する小羽片の最下部の葉脈が接合する。葉脈ではミゾシダ  によく似ているが、ソーラスが違う」と出ていた。そこで、ミゾシダで検索し、資料3の胞子嚢の分布を見ると、試料の胞子嚢の形、分布に似ていた。ホシダと思って見つけた試料はミゾシダになるようだ。
イメージ 6
試料:ミゾシダ

イメージ 7
 試料:ミゾシダの胞子嚢の分布

 ホシダを探したが見つからなかったが、その代わり、別のシダが見つかった。このシダは今までのとは違う様に見えたので、調べ始めた。葉は1回羽状複葉である。下記の資料1のシダ植物(葉による分類)で検索し、コハシゴシダ、ハシゴシダを検索してみた。葉身、葉軸の毛などが似ていると思ったが、小羽片の形を見ると、どちらとも違っているようだった。次に似ていそうなクマワラビとオクマワラビをみた。それでも、胞子嚢の形が違っていた。ここで行き詰ってしまった。簡単に使えそうな検索表が見つからないので、時間がかかるが1つずつぶつかっていった。いつ辿り着けるとも分からず、繰り返した。そのうち、資料2を最初から開いていくと、「ケブカフモトシダ」へ来たところで、「おや・・」と思った。葉柄や中軸にある毛の様子、小羽片の数、胞子嚢の分布がよく似ている。1度はこの写真を見ていたのだが、その時は、羽片の裏の毛があまりにも多いので、通過してしまっていた。試料を見直すと、鮮明ではないが、かなり毛があるのが認められた。更に、資料3で、ケブカフモトシダを確認すると、試料に似た写真が掲載されていた。この試料は何とかケブカフモトシダに落ち着けそうになった。
イメージ 8
試料:ケブカフモトシダ?

イメージ 9
ケブカフモトシダ?:中軸と羽片

イメージ 10
ケブカフモトシダ?:葉柄

イメージ 11
 ケブカフモトシダ?:胞子嚢の分布

撮影:718

  記  平成30725日(木)