四季の森公園「オニドコロ、ベニシダ、イノデ、リョウメンシダ」
7月27日(金)
先日シダの観察会が行われた林の中へ入り、復習を始めた。一ヶ月も経つと、大分様子が変わってきているので、どこに何のシダがあったか、うろ覚えになってしまっている。
林へ入ったところで、垣根に巻き付いたオニドコロの花が見えた。彼方此方で蔓が伸び、葉が大きくなってきたので、いつ花が咲くか見ていたところである。オニドコロは雌雄が別株で、よく見かけるのは雄株の雄花である。今見ているのも雄花になる。この花は黄白色の小さな花で、鮮明な写真が撮りにくい。花は短い花柄に付き、花弁は5枚、雄しべが薄っすらと6本見える。
オニドコロ
オニドコロの雄花
少し中へ入ると、先日シダの観察会が行われて所だけあって、沢山のシダが見えてきた。最初に見るこのシダの名前は何だろうか。2回羽状複葉で、中軸、羽軸には鱗片が見られる。羽軸、中肋の中央は濃緑色の筋が入っている。裏面には褐色の胞子嚢が小羽片に2列に並んでいる。ベニシダと思い、過去の資料と比べてみた。
「最下羽片基部の下向き小羽片が短い、羽軸裏面には袋状鱗片が多い(資料1)」「羽軸、中肋は濃紫色で、小羽片の基は、全面が中肋へ付き、縁には鋸歯がみられる(資料2)」「ソーラスは小羽片の中肋と辺縁の中間かやや中肋寄りにつき・・・(資料3)」などから判断すると、この試料は、恐らくベニシダになると思う。
ベニシダ
ベニシダ:最下羽片基部の下向き小羽片が短い
ベニシダ:葉の裏の胞子嚢
このシダは2回羽状複葉の葉がかたまって伸びている。この形から考えると、イノデと考えられる。柄や中軸、羽軸に鱗片が密生している。鱗片は、柄、中軸、羽軸へ進むにつれ、細く、短くなっている。小羽片を見ると、先端は短い棘になっており、裏には胞子嚢が2列に並んでいる。以上のことから試料はイノデと考えられる。イノデについて調べていると、資料4では、イノデの仲間として、「イノデ、イノデモドキ、ツヤナシイノデ、サイゴクイノデ、カタイノデ、アイアスカイノデ」が挙げられていた。この一覧を見て、「こんなに種類があるのかぁ」と圧倒させられ、奥が深いと感じた。今見ているイノデがどれに該当するのか、後日検討したい。
試料:イノデ
試料(イノデ):柄には三角形をした鱗片が密生している
試料(イノデ):
中軸にも小さな鱗片が密生している 胞子嚢は小羽片に2列に並んでいる。
更に奥へ進んでいくと、いろいろなシダが出てきて、あれもこれもみんな同じように見えてきてしまった。少し混乱してきたので、奥にある分かり易いリョウメンシダを探して進んだ。このシダは、名前の通り両面が殆ど同じになっている。リョウメンシダは少し下ったところにあった。早速、前に見たものと比べてみた。葉身は2回羽状複葉で、全体に柔らかさを感じる。小羽片はさらに2つに分かれ、大きい方の上半分には大きな鋸歯がみられ、中軸、羽軸の表面には浅い溝がある。小葉の裏を見ると、ところどころにへこみがあり、そこに白色に見える胞子嚢が分布している。
リョウメンシダ
リョウメンシダ:葉の表
リョウメンシダ:葉の裏
撮影:7月18日
記 平成30年7月22日(日)